岡本桂香氏講演と通常練習の様子

   日程  2016年5月5日(木祝)
   時間  午後4時〜午後9時
   場所  大阪音楽センター会館

 合唱曲の作況を委嘱した岡本桂香さんに九州から来ていただき、シリアについての講演会をお願いいたしました。その後の通常練習にも参加され、練習後は演奏教育部を中心に交流会となりました。その様子を簡単に紹介します。
 また、午後2時から4時まで、会館の1階でバスとテノールのパート練習がそれぞれありました。

 
団長が岡本桂香さんを紹介し、今回の定期演奏会で作曲を依頼した経緯を簡単に説明しました。九州からこの講演のために来て下さいました。作っていただいた曲は「watanuna」です。
(今回の定期演奏会のチラシには20年ほど前に平和だったシリアへ留学されたときの撮られた写真2枚を使わせてもらいました。)
  岡本桂香さんは学生時代にパレスチナ問題の研究でアラビア語の勉強のため、大学の先生から当時一番治安が良く、“おもてなし”の精神にあふれたシリアに行くことを勧められ、2年留学されました。団員にそのシリアで知っていることは何ですかと聞かれましたが、団員はあまりよく知っていません。
 
ホワイトボードにキーワードを貼りながら説明されました。シリアは世俗主義で多民族・多宗教の国であること、ヨルダンから数十万人、イラクから100万人を超える難民を受け入れ、テントではなく団地まで作っていたこと、イスラエルが不当にパレスチナを占領することに反対し、アサド父子による強権政治でイスラエルに対抗してきたことなどを説明されました。今話題になっているISも、アフガニスタンに侵攻したソ連軍と戦うためにアメリカが軍事援助した多国籍の戦闘員がシリアに戻り、1980年代には反政府活動を始め、スンニ派のサウジアラビアやカタールなどの援助も受けていたことなど、あまり報道されない内容が多く、いつも特定の方向からの報道が多いことがシリアの問題を難しくしていることなども話されました。(ちなみにアメリカの軍事援助がアフガニスタンにはタリバン、アルカイダにつながったことは周知の事実です。)   また、現在はシリアが代理戦争の様相になっている点も問題を難しくさせているとのことです。正しい情報を自分で読み解くには語学の力が必要だということで、短期大学の英語の講師をされているそうです。
シリアの人々は、「私たちは世界から見捨てられた」と嘆いているそうです。そんなシリアの友人達からの思いを集めて歌詞が作られました。
 
1時間の講演が終わり、団員からはシリアのことや今回作曲された「watanuna」の歌詞の内容について質問が出ました。   続いて1階で夕食を摂りながら主に演奏教育部のメンバーで話しました。作曲を依頼した他の2人の方の作品への思いも団長から紹介しました。
 
6時15分から練習開始。「watanuna」の練習を30分しました。岡本さんは前に座り、ご自分が作詞作曲された曲の出来具合をどう思われたのでしょうか。   5月7日にドーンセンターで行われるチャリティーコンサートのために、長森かおるさんが作曲した「スプーン一杯の」と“世界の歌メドレー”から「ブラジルの水彩画」、「Rise Up Again」の練習をしました。2曲はチャリティコンサートで初公開となります。
 
午後9時で練習を終わり、岡本桂香さんに今日の練習の感想を聞いて、終わりとなりました。   帰りに鴫野駅近くの居酒屋で岡本桂香さんと演奏教育部のメンバーといろいろなお話をしました。九州青年合唱団に参加して“うたごえ”や今回作曲を依頼した安広真理さんと出会ったこと、安広さんとはご近所で、お子さん2人が安広さんにピアノレッスンを習ったことなども話され、シリアのことなどと合わせてお話が進みました。気がつけば午後11時、やっとお開きとなりました。