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第26回定期音楽会の紹介 | ||
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オーケストラと合唱でうたおう 青春を夜明けを、ベトナム人民支援の心を 創立24周年記念 関西合唱団音楽会 |
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演奏日時 | 1972年10月16日(月)・17日(火)午後6時30分開演 | |
演奏会場 | 大阪厚生年金会館大ホール | |
指 揮 | 守屋博之/本並美徳 | |
ピ ア ノ | 山下和子 | |
吉田親家(アコーディオン) | ||
オーケストラ | 新星日本交響楽団 | |
出 演 | 亀田美佐子(バイオリン)/山本禎二(バリトン)/関西合唱団 | |
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演 奏 曲 1部 | プロローグ 飛べよ鳩よ (曲:ドナエフスキー) 橋をつくったのは俺たちだ (曲:トム・パクストン) グァンタナメラ (キューバ民謡) 夜明けのうた (曲:いづみたく) 世界のうたメドレー ドナドナ/ラ・クカラチャ/トンピリビ/大きな古時計/ 草原のマーチ/ストドラパンパ 鉄路 (曲:ドナエフスキー) オーケストラによるポップメドレー 雨にぬれても/エプリルフール(バカラック)/在る愛の物語(フランシスレイ) 箱根馬子唄 (曲:清水脩) 島原の子守唄 (曲:村谷達也) 祖国の山河に(研究生・うたごえ教室合同) (曲:芥川也寸志) 勝利の日まで(研究生・うたごえ教室合同) (曲:アメリカ民謡) ザ・レインジャー(アコーディオン教室・班・関西吹奏楽団合奏) みんなでうたおう 序曲「ルスランとリュドミラ」 (曲:グリンカ) 序奏とロンドカプリチオーソ (曲:サンサーンス) 来よのぞけき春(オラトリオ「四季」より) (曲:ハイドン) 美しき青きドナウ (曲:J・シュトラウス) 「アレキサンドルネフスキー」より終曲 (曲:プロコフィエフ) |
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2部 | 花をおくろう (曲:荒木栄) ベトナムの乙女たち (ベトナム歌曲) 木こりのうた (曲:ファムトウェン) わが人民はひとつ (曲:ドニュアン) ベトナム (曲:長谷治) ぼくらの街のうた (曲:上田忠喜) エピローグ われら平和のために (曲:トウリコフ) |
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チラシ(表) | ||
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ごあいさつ プログラムより |
みなさま、おいそがしいところをわたくしたちの音楽会に、ようこそいらっしゃいました。 “オーケストラと合唱でうたおう青春を、祖国を、今こそベトナム人民支援を”をテーマに、今日は、明るく、楽しく、力強く歌いたいと思います。このたび日本に新しく生まれた民主的なオーケストラ新星日本交響楽団と共演出来ることを嬉しく思います。 日本の音楽文化の発展のために“平和で健康なうたごえを国民のものに”“日本の民族的な音楽のすぐれた伝統をうけつぎ、国民音楽の創造と普及を”の二つの目的をかかげた日本のうたごえ運動と、わたくしたち関西合唱団は今年創立24周年をむかえることができました。みなさんの温い御支援に深く感謝します。 今年の春から六月にかけ、歌劇「沖縄」第二次全国公演を大成功させ、みんなうたう会活動が新しい高揚期を迎えつつあり、府下の盆踊りは、去年の十倍位に広がり、昨年の合唱構成「俺の旗」についで、「燃えろ太陽」(全税関大阪)「ブラザーからの手紙」(大阪ポスト)、今日、演奏します「ベトナム」など創作活動もひきつづき発展しています。大阪のうたごえ合唱発表会参加団体も増えて来ました。大阪労音のヴェルディーの「レクイエム」はじめ青年や各団体の多種多様な魅力ある音楽会も昨年に増してぐーんと広がってきました。 私たちは、この府民の文化、音楽要求の高まりに応え“うたごえの圧到的な量の拡大と、それを保障する質の獲得”に全力をあげたいと日夜はげんでおります。 今、ベトナムではニクソンのみな殺し爆撃が日に日に激化しており、遂に北ベトナムでは、9月の新学期開校が全土で不能におちいりました。疎開先の幼い学童がねらいうちにされており、その疎開先から更に小人数に学童を分散して密林の奥に行こうとしています。 腹一杯に爆弾やミサイルかかえて、日本全土からアメリカのジェット機が昼も夜もベトナムヘベトナムヘ飛び立っています。 みなさま、今こそベトナムの母と子に支援の手をさしのべようではありませんか。 今后ともよろしく御指導、御援助をおねがいします。 1972年10月16日 【関西合唱団】 |
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メッセージ プログラムより |
国のすみずみから 創立24周年記念関西合唱団音楽会おめでとうございます。 インドシナの友を支援しよう!日本の基地をなくそう!公害の根をたとう!働きがい、学びがい、生きがいのある生活をとりもどそう!生活とたたかいの真実をえがいた音楽をひろめよう!などの声と行動が、国のすみずみからわきおこり、まちまちに村々にひろがっています。 私たちは今年、沖縄を返せの声をひとつに集め、歌劇「沖縄」を全国で上演し、多くの方々の共感を勝ちとりました。 今また、インドシナでの戦火が拡大する中で、インドシナの友にうたごえをささげることはうたごえの誇り高い使命となっています。 この点で関西合唱団の音楽会が、人々の心の高鳴りにこたえることを心から期待するのです。 そして、目前にせまった、1972年日本のうたごえ祭典に、その成果をよりあわせて下さることをおまちしています。 歌はたたかいとともに、うたごえは平和の力 1972年10月16日 【日本のうたごえ実行委員長 関鑑子】 お祝いのことば 関西合唱団の創立24四周年を記念して、盛大にコンサートが開催されますことを心からお祝い申上げます。 人々の心の糧となる文化の振興がつよくのぞまれております昨今、24年もの間、明るい音楽活動をつづけてまいられましたことは、まことに意義深いものがあります。 日頃の実力を充分発揮されまして、楽しく、こころ豊かなすばらしい音楽会となりますことを期待しております。 【大阪府知事 黒田了一】 その大声をべトナムヘ 日中国交回復はようやくにして成りました。田中首相は得意気にハナをうごめかせていますが、はたして彼の功績なのでしょうか? 日本人全体のエネルギーが、なかなか腰を上げなかった自民党政府をつき上げたということでしょう。日本列島改造などいっていますが、自民党の体質をこそ改造しなくてはならないと思うのです。あわただしく虚偽でカムフラージュされた政情を、働く仲間たちのエネルギーで吹きとばしましょう。そのうた声はベトナムまでとどくことでしょう。 関西合唱団の発表会のバイタリティに大きな期待をよせるものです。 音楽家も力をあわせて、わたしたちの音楽で日本の政情を明るくしたいと願っています。 【関西音楽舞踊会議委員長 柴田仁】 スモッグつきやぶるうたごえを 関西合唱団創立24周年記念音楽会おめでとうございます。 世の中にはなんと多くの様々な音楽がはんらんしていることでしょう。しかし、働く者の願いや要求を心からうたい上げ、励まし、人々の真に求める音楽は実に少ないと思います。こうしたなかでこの二十四年間関西合唱団の果してきた役割は非常に大きいものがあります。 今日の関西合唱団の音楽会が、スモッグでどんよりとした大阪の空の一角をつきやぶり、はるかかなたに広がる秋の青空がぽっかりと見えるように、多くの人々の心をとらえてはなさず、そしてまた、合理化の嵐の中で働く者の心をうたい上げようと、地域、学園の中で平和で健康な音楽をうたい創りひろげようと、ひた向きな努力をしているうたごえの仲間たちに大きな励ましとなるように心から期待してやみません。 1972年10月16日 【大阪のうたごえ協議会議長 高田和弘】 |
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出演者より プログラムより |
創立24周年を迎えられました事、心よりお祝い申し上げます。戦後始められた歌声運動、その中にあって関西合唱団の果した役割は、多大であると聞いております。二十四年もの長い間、信念を持って続けられたというのは、本当に素晴しい事だと思います。 私は去る八月に、初めて関西合唱団の公演に出演させていただきました。その時、舞台と客席が一体となって音楽を楽しんでおられたのが、印象的でした。私は演奏しながら働く方々の生き生きとした精神の躍動とエネルギーを感じ、大変にたのもしく思ったものです。 定期演奏会での成果は広く紹介されて居ります。特に年末に予定されて居りますべートーヴェン第九“合唱”の演奏は、延べ七回を数え、大いに注目されるところであります。ポピュラーコンサート、オペラ・バレー・合唱団との協演、レコード録音、学校教育に於ける音楽鑑賞、教室職場での音楽会等、演奏活動の領域を更に広げて参りたいと存じます。 【亀田美佐子】 この度は、この記念すべき演奏会で演奏出来ます事を、非常にうれしく思います。 これからも大衆と共に、豊かに歩んで行かれるよう、お祈りいたしております。 【山本禎二】 |
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曲目解説 プログラムより |
飛べよ鳩よ 1955年モスクワ世界青年学生平和友好祭で発表され、日本のうたごえ代表団により翻訳紹介されました。平和をねがい、世界にはばたく気高い鳩をうたっています。 橋をつくったのはこの俺だ トム・パクストンの作品で、フォーク運動の最初から日本に紹介されみんなに愛されているフォークソング。 夜明けのうた 静かな美しい日本の夜明けにたくし、人々の希望とねがいをふっくらとうたう、いずみたくの作品。 グァンタナメラ キューバ革命発祥の地グァンタモナの美しい娘さんをうたった代表的なキューバ民謡。 鉄路 ロシァの大平原をばく進していく汽車のリズムにのせて、ソヴェート人民の平和な建設のひびきを明るくうたいあげています。 箱根馬子唱島原の子守唄 日本民謡の名曲を無伴奏混声合唱でうたいます。 祖国の山河に 1953年日本のうたごえ祭典のテーマ曲。日本専売公社業平工場の17才の女子労働者紺谷邦子作詞、芥川也寸志作曲。当時、アメリカの侵略による朝鮮戦争の最前線基地になっていた日本を平和な国にしたいという乙女のねがいをうたっています。 オペラ「ルスランとリュドミラ」序曲 ロシア国民音楽の創始者グリンカの作品。この曲は歌劇としては、あまり上演されていないが、序曲だけは世界各国でよく演奏され、朗らかで力強く、ロシア的な民族色豊かな曲。 序曲とロンドカプリチオーソ フランスの作曲家、サンサーンスの若々しい情熱的な曲。ツィゴイネルワイゼンとならぶヴァイオリンの名曲として有名です。 来よのどけき春 ハイドンの名曲オラトリオ「四季」の春から。イギリスの農民の春をむかえる 喜びと自然のめぐみへの讃歌を美しくうたっています。 美しく青きドナウ 1867年の作品。その前年オーストリアは普襖戦争に敗れ、ウイーン市民は意気消沈していました。その時、このオーストリァのふるさとの美しさを心こめて気高くうたいあげたこの曲は、ウイーンの人々に未来への大きな希望を抱かせる原動力になりました。 「アレキサンダーネフスキー」より第七楽章アレクサンドルのプスコフ入場 プロコフィエフ作曲。第二次世界大戦前、この曲はナチスの脅威を予言して作られました。外国侵略者を打破った13世紀のロシアの英雄アレキサンダーネフスキーをたたえたカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」の第七楽章は、アレクサンドルの凱旋をたたえた大合唱。 第二楽章の主旋律による合唱にはじまり、伴奏と一体となり、みごとな高揚をつくり、力強い全強奏でこの大曲を終わる。この作品は1944年の第五交響曲、とならんで、プロコフィエフの最盛期にそびえ立つ巨峰の双壁とされています。 花をおくろう ベトナム人民へ心をこめてうたいます。1960年10月、友人の結婚を祝し作曲された荒木栄の作品(作詞 森田ヤエ子) わが人民はひとつ 南北ベトナム人民は一つと統一のねがいを民族的な旋律で豊かにうたっています。 ベトナム 五月の空、ベトナムの母子に平和な小鳥のなく青空をとりかえそうと、日本の母子のねがいをこめて、鎮魂歌の形式で作曲されています。 合唱組曲「ぼくらの街のうた」 革新府政を生み出した大阪の人々のねがいを、未来をうたいあげた合唱組曲。一九七一年五月に初演し、今回、オーケストラ編曲で演奏。 われら平和のために 1940年代後半にソヴィエトで発表されたトゥリコフの名曲。 |
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