定期演奏会の紹介

第30回定期音楽会の紹介

 第30回定期 関西合唱団音楽会

演奏日時 1974年10月19日(土)午後2時30分/午後6時30分 <<Aプログラム>>
        22日(火)・23日(水)午後6時30分開演 <<Bプログラム>>
演奏会場 フェスティバルホール    <<Aプログラム>>
毎日ホール          <<Bプログラム>>
指   揮 守屋博之/本並美徳/吉田親家
特別出演 沢田節(ソプラノ)/田中公道(テノール)/岡田征士郎(バリトン)
出   演 関西合唱団/関西合唱団アコーディオン班/合唱団フロンティア/大阪センターオーケストラ/
子ども音楽教室/千里なかよしコーラス
ス タ ッ フ 富田悦史(関西芸術座 演出協力)

演 奏 曲  1部 プロローグ
とべよ鳩よ                       (曲:ドナエフスキー)


ミュージカルメドレー
 サウンド オブ ミュージック            (サウンド オブ ミュージックより)
 ドレミのうた                     (サウンド オブ ミュージックより)
 おどりあかそう                    (マイ フェア レディより)
 魅惑の宵                       (南太平洋より)
 ブラディ メリー                    (南太平洋より)
 アイ フィール プリティ              (ウエストサイド物語より)
 アクエリアス                     (ヘアーより)
 オリバーのマーチ                  (オリバーより)

橋をつくったのはこの俺だ              (詩・曲:トム・バクストン 訳詩:高石友也)
翼をください                      (曲:赤い鳥)
庄原の田楽                      (広島(庄原地方)民謡)
ディジーシンガー                   (曲:コンフレイ)
アルルの女                      (曲:ビゼー 「アルルの女」より)
ざわめけアムール                   (ロシア民謡)
つばめ                         (アルメニヤ民謡 訳詩:中央合唱団)
ペルボエマヤ                     (曲:ショスタコビッチ)

        2部 【Aプロ】
歌劇「カバレリア・ルスチカーナ」より  (曲:マスカーニ)
 オレンジはかおり
 馬方は良い商売
 ママも知る通り
 いえいえトゥリドゥ
 乾杯の歌
 フィナーレ

【Bプロ】
合唱構成「君は生きているか」      (演出:富田悦史)
 君は生きているか
 あいつは本当にいいやつだ
 ヨッパライブギ
 愛の告白
 肩引き車
 私の母さん
 ブランコのうた
 見上げてごらん夜の星を
 君は生きているか

【A・B共】
カンタータ「新しい朝のうた」    (詩:瀬野とし 曲:木下そんき)
 第1楽章 朝へ
 第2楽章 日だまり
 第3楽章 指のない手
 第4楽章 小公園
 第5楽章 あたらしい朝を

ベンセレーモス チリ人民連合のうた       (訳詩:麦笛の会)
素晴らしい明日のために               (詩・曲:熊谷賢一)

チラシ(表)

メッセージ

プログラムより
【黒田了一 大阪府知事】
 第30回定期関西合唱団音楽会”10,000人におくるミュージックフェスティバル”が盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げます。
 私は今日のように変転著しい社会にあって、心の糧となるべき文化の振興が特に必要と考え、常々「大阪に文化のルネッサンスを」と呼びかけているところであります。
 時あたかも、関西合唱団が本年をもって創立26年を迎えられ、その間たゆまぬ御努力と御研鑽を積まれ、26年の永きにわたってうたごえ運動を展開され、人々に親しまれ、楽しまれるうたごえ合唱団として音楽文化の向上に果たしてこられた役割はまことに多大なものがあります。
 本日の音楽会を機会に今後ますます発展の道を歩まれ、音楽文化の振興に大きく貢献されますよう期待してやみません。
 どうか、合唱団の皆様には日頃修練を積まれた実力を充分に発揮され、楽しく、すばらしい音楽会となりますようお祈りしまして、お祝いのことばといたします。


【柴田仁 音楽評論家】
 関西合唱団第30回定期音楽会おめでとうございます。
 今度は「10,000人におくる」フェスティバルですから、とてもたいへんだったことと思います。10,000人もの人に聞いてもらえる音楽会は、現在のところなかなか見当りません。それをなしとげるということは、皆さんの合唱音楽が、それだけ広い広い層に支持されなければ成り立ち得ないということです。
その点、関西合唱団は、音楽の大衆化という方向をはっきりうち出したといえましょう。現実的な音楽活動の中でみなさん自身が気付いていられると思、いますが、この大衆化という方向はいいやすくして、なかなか難しいということです。この問題だけでも一杯考える、その考えを発展させ、実践していかなければならないテーマがあると思います。そのことは、いつか、みなさんと考え合い討論したいと思っています。
そのほかに大切なことは、合唱をやる以上当然通らなければならない合唱の「イロハ」というものがあります。関西合唱団をはじめうたごえの多くのサークルがはたして、その「イロハ」の基本を身につけたかというとどうでしょう?
 この前、日下部吉彦氏の棒でうたったことがありますが、おそらく日下部氏は、関西合唱団のその「弱点」を痛感されたのではないでしょうか?大衆化の路線がすすむほどに、この合唱の「イロハ」がよりおろそかにされる傾向が予測されます。
 すでに今年の大阪のうたごえの合唱発表会でもそれが見られました。この「提起」では「カバレリア、ルスチカーナ」がうたわれますが、そのような人類の音楽的遺産を大切に継承していくことが「イロハ」のひとつであろうかと思います。合唱音楽の「イロハ」に通じ、占典を正しく継承し大衆的な音楽を広く発展させていかなければ、10,OOO人はおろかその10倍、20倍の聞き手に支えられましょう。成功を期待します。


【日下部吉彦 大阪府合唱連盟理事長/音楽評論家】
 いままで客席からしか聴いたことがなかった関西合唱団と、同じ舞台に立つことが出来ました。この5月の音楽会のときです。かねてから私、は、この合唱団の訴える力の強さに感心していましたが、指揮台に立ち正対してみて、それをよけいに身近かに感じとることが出来たのです。数多くの一般合唱団の棒をふってきた私ですが、関西合唱団から出てくるオトは、ちょっと違います。どんな小さいオトでも、そのひとつひとつに火がついているのです。燃えているといってもいいでしょう。すばらしい音楽の要素がそこにあります。
 これに加えて、より正確な音程や、人々の心を魅感する優雅さのようなものが体得出来れば鬼に金棒なのですが…。しかし、演奏会ごとにそのレパートリーを広げようとしている行き方には賛成ですし、そこから、また新たな力が湧いてくることも期待できるでしょう。第30回定期の成功を祈ります。
私達の生活に新しい朝のうたを【藤本洋 日本のうたごえ全国協議会 幹事長】
 秋ともなれば、日本中のホールで様々な音楽会が催され1大シンホニーのような感を呈します。しかしそのような音楽の秋に、私達の心にせまり、その真実をうたい上げてくれる音楽はまだまだ少ないのではないでしょうか。関西合唱団の第30回定期演奏会が10,000人におくるミュージックフェスティバルのテーマで開かれますが、きっとこの音楽会は私達の心をゆするものとなることを信じています。今回のプログラムの多彩さは『さすが関西合唱団』という感じを与えてくれますが、特に木下そんき氏の合唱曲『あたらしい朝のうた』は期待をもたれています。きっと演奏会をお聞きになった皆さんが、そこからうたごえ運動の現代の姿を聞きとれ、職場や町や団地に新しいうたごえサークルを自分でもつくっていこうとされるのではないでしょうか。又そうあってほしいと願っています。そのことは、きっとあたらしい朝を私達の生活に呼ぶ力となっていくと思います。
おめでとう!あつい握手をおくります。


【高田和弘 大阪のうたごえ協議会 事務局長】
 5干人から1万人への飛躍をめざす、今回の音楽会はいろいろな意味で画期的なものだと思います。
それはうたごえ運動が新たな前進をめざす方針をもって出発ったこの年に、全国のどの合唱団もこれまでやったことのない課題に挑戦していることです。音楽内容の面でも若い人だけでなく広範な人々に受け入れられるプロブラムづくりの努力がされていますし、この音楽会の成功がうたごえの新たな飛躍への一歩となるよう期待しております。
先に行われた市役所グリーンコーラスと府庁うたごえ合唱団の十周年記念演奏会は、それぞれの職場に働く人々に、また、大阪のうたごえのサークルの仲間たちに大きな感動と励ましを与えてくれました。この関西合唱団の1万人の音楽会がさらに広範な人々に感動と勇気を呼びおこす音楽会となるよう期待しております。