定期演奏会の紹介

第39回定期音楽会の紹介

 ミュージカル
 青春をかけた挑戦

演奏日時 1979年11月12日(月)・13日(火)午後7時開演
演奏会場 サンケイホール
指   揮 守屋博之
伴   奏 ログメイツ
出   演 関西合唱団/関西合唱団第61期研究生
ス タ ッ フ 一杉忠(演出)/高木宏(振付)/山中元(装置)/柳原常夫(照明)/
高田昌(舞台監督)/宮本昌臣(助手)/映像集団8の会(映像)/廣沢駒蔵(浪曲指導)

演 奏 曲
橋本邦久・中山惟行共著「松下王国の神話」より

ミュージカル
「青春をかけた挑戦」
 (脚本:かたおかしろう 曲:中村茂隆)

チラシ(表)

ごあいさつ

プログラムより
 今日はお忙しいところをおいでくださいました。
 このミュージカルの原作の主人公は、松下電工を不当に首を切られた当時、関西合唱団の一員でもありました。このたたかいを描いた狂言風な合唱構成「人間教室」。合唱詩劇「労働者はいいぞ」についで、このミュージカルは三回目の作品となっています。
 私たち合唱団員も十数年たたかいつづけてきました。「誰でもどこでも楽しく歌える明るい職場がほしい」という、ごく普通の願いさえふみにじることを許すなら。赤ちゃんの笑みは消え、再びファシズムと戦争の暗黒の世界へつき落とされてしまうでしょう。
 「花には太陽を、職場には憲法を」とかかげ、今も主人公たちは不屈に花の輪を広げつづけています。
 この作品はひきつづき東京(11月24日、日本のうたごえ祭典)、守口(12月14日)で上演します。
 この作品の創造と上演に協力して下さった方々への心からのお礼を申し上げます。
 また、本日の演奏へのきびしいご批判、ご援助をお願いします。
【関西合唱団】

メッセージ

プログラムより
 「松下王国の神話」の演奏会おめでとう。
 80年代にむかうもののうあたが生まれる
 あたらしい時代を予感させるものをひめて
 人間が人間としていき
 愛と自由がよみがえる日をひらくために
 王国を共和国につくりかえる
 ひたむきなたたかいのうたが生まれる
 さあ 青春のありったけをこめて
 うたいあげてください。
【日本のうたごえ全国協議会 幹事長 藤本洋】


自由と民主主義が息づく 明るい職場をめざして
 共産党やその支持者というだけで、昇進昇格をさせず、同期入社者と比べて年収で数百万円も差別をつづける松下電器に対して、(1)差別是正と慰謝料の請求 (2)謝罪文の掲示を求めて裁判闘争に立ちあがったわたしたち8人のたたかいも5年になりました。
 “明るいナショナル”とは名ばかりの暗い職場に自由と民主主義が息づく明るい職場をめざして、橋本君の勝利につづけと不屈のたたかいを誓いあっています。
 仲間のみなさんのご支援をお願いします。
【松下電器の思想差別とたたかう原告団 団長 斎藤秀吉】


橋本君の勝利を、一人一人の労働者の闘いを横につなごう
関西合唱団の諸君おめでとう

 私は松下の人権裁判の話を聞いた時、これは無条件に支持しなくてはならない、と考えました。その内容を調べ、どちらに非があったか、というようなことはこの際問題ではありません。
 戦前、徳川義親(この人は第16代将軍になる人だったそうですが、徳川幕府は15代で終わり)という人が『じっとしていても、私のところには、ドンドン金が流れこんでくる、こんな世の中は悪い世の中に決まっている』と伝ったことがありますが、まことにそのとおりで、支配の側か抑圧される側かこそ、われわれが先ず問題にしなくてはなりません。
 ましてや松下独占が、憲法や法律を無視し、労働者を弾圧し、中小企業も搾取していることは天下周知の事実でありますから、日本の民主主義のためにも、私たちは頑張らなくてはなりません。
 苦節10年、一匹の蟻が巨像にも立ち向かう闘い、その橋本君の闘いをそしてついに職場復帰を闘い取った、その闘いを関西合唱団の皆さんが、ミュージカルにしてはげましてくれる。嬉しいことです。
 松下原告団を傍聴したあとの集会で、関西合唱団の人たちが、ずっと松下の闘いをはげましていてくれることを知りました。私が大阪総評の仕事をしているころ、殆どの集会で、関西合唱団の人たちが歌ってくれて集会に花を添えてくれました。それが途絶えてから何年になりますか、松下労働者の闘いが、又私たちを結びつけてくれました。
【元大阪総評議長 帖佐義行】

曲 目 解 説

プログラムより
“青春をかけた挑戦”とは・・・
●1966年8月3日、ひとりの労働者が会社(松下電工)のいうままに思想転向せず、不当は移転をこばんだばっかりに、首をきられました。
●その翌日から10年間、労働者は胸にゼッケンをつけ、早朝の門真駅前にたち、ビラをまきつづけました。
●駅から会社までの千歩の道のり、その間に読み終えられるミニミニ新聞、「たちよみ新聞」です。
●大松下の残忍な人間抑圧、差別の実態、そして職場の仲間のどんな小さな声や要求ものがさずかきこみつづけた「たちよみ新聞」-はじめは、巨大なマンモス象にたった1匹の蟻が噛みつくような途方もないたたかいでした。
●その労働者−橋本邦久さんは、眼光けいけい筋肉隆々・・・およそ、そんな労働者ではありません。目のやさしい、きゃしゃな色白の青年、どこにでもいるあなたのようなひとりの人間です。そんな一見気弱な青年が、なぜ10年もたたかいつづけられたか、そしてたたかわざるをえなくした大企業の非人間的実態は!?
●創立以来30年、つねに労働者のたたかいに学び育った関西合唱団がこのたたかいの記録「松下王国の神話」を初のミュージカルスにしておおくりします。
●「たちよみ新聞」の各号の右上に、つねに書きこまれていたスローガン「花には太陽を、職場には憲法を」は、いまもなお、すべての働く人々の願いです。
●はげましあい、手を結び合い生きる人間のすばらしさを、80年代の幕開きを前にして青春の息吹きと感動でつづるミュージカルス!