定期演奏会の紹介

第40回定期音楽会の紹介

 JULY CONCERT
 青く輝やく地球のために

演奏日時 1980年7月15日(火)・16日(水)・17日(木)午後6時30分開演
演奏会場 森ノ宮ピロティホール
指   揮 守屋博之/本並美徳/細川幸治
ピ ア ノ 根来博子
出   演 関西合唱団/関西合唱団アコーディオン班/関西合唱団民謡班「わだち」/ログメイツ
ス タ ッ フ 一杉忠(舞台監督)

演 奏 曲  1部 プロローグ
とべよ鳩よ              (詩:マトウソフスキー 訳詩:日本のうたごえ代表団 曲:ドナエフスキー)

ジェリコの闘い            (黒人霊歌 訳詩・編曲:津川圭一)
All my Trials             (黒人霊歌)
Very Last Day            (黒人霊歌)

ビートルズ・メドレー         (編曲:斉田好男)
 イエロー・サブマリン/ミッシェル/レットイットビー/・ハード・ディズ・ナイト/
 オ・ブラディ・オ・ブラダ/イエスタディ/ヘイ・ジュード

混声合唱のための組曲
 「むしのたまご」           (曲:中村茂隆)

ヒロシマ                 (詩・曲:ムスタキ 訳詩:ヒロコムトー 編曲:赤堀文雄)
死んだ女の子             (詩:ナジム・ヒクメット 訳詩:中本信幸・服部伸六 曲:外山雄三)
はがゆい                (詩:正田篠枝 曲:外山雄三)
海                     (詩:リフシツ 訳詩:関鑑子 曲:ドナエフスキー)
地球のために             (詩:合田貴子 曲:本並美徳)

        2部 フォ・フリーダム             (詩・曲:中道徹)

ラテン・メドレー
 ラ・クカラチャ/シェリトリンド/コンドルは飛んでいく/
 ラ・ゴロンドリーナ/さらばジャマイカ/グァンタナメラ


カノン                   (曲:パッフェルベル)
ドレミの歌                (「サウンド・オブ・ミュージック」より 編曲:藤林克寿)

        【関西合唱団アコーディオン班/吉田親家(指揮)】

御神楽                  (岩手県)

        【郷土芸能:関西合唱団民謡班「わだち」】

シングアウト

青春メドレー
 いま青春のとき/みんな太陽/
 陽気に生きようこの人生をさ/青春

エピローグ
組曲「自由なる朝へ」より
 「早春」                 (詩:滝いく子 曲:たかひらつぐゆき)

チラシ(表)

ごあいさつ

プログラムより
 本日は御多忙の中、ようこそおいで下さいました。関西合唱団は今年で創立33年を迎え、1980年代という新たな歴史の舞台に、うたごえの翼を広くたくましく羽ばたかせようとしています。
 今回の選挙の結果にも表われているように、“激動する80年代”のスタートラインからの一歩をみる時、今こそ生活や職場の中から、真実をつらぬき、人間らしく生きること、平和な未来をつくり上げることへの共感・感動を拾いあげ、一人から一人へ広げていくことの大切さを痛感するものです。
 私達はこの春、西淀川・大東・千里他で地域コンサート・うたう会活動を取りくみ、大東・千里では座席にすわりきれない人と共に、心暖まる音楽会をつくりあげることが出来ました。コンサートのアンケートでも「楽しかった」「又来年もやってほしい」という声が圧倒的で、マスコミ文化の犯濫の中で、生の音楽、共にうたい創る音楽が強く求められていることに、新たな確信をもった次第です。今日の音楽会は、私達のこうした日常活動の総結集であり、戦争へのキナ臭い動きに対する平和への限りない希いをうたい上げるものです。
 今年は8年ぶりに「大阪のうたごえ祭典」を11月3日に開催し、12月にはフロイデ合唱団と「第九」をうたうことになっています。
 80年代での関西合唱団と大阪のうたごえ運動の大いなる前進のために、皆さまの御批判・御支援を心よりお願い致します。
【関西合唱団団長 西恒人】

メッセージ

プログラムより
 大がかりな戦争が起ったら人類が存続出来るかどうかという惨事になるという予想が方々で語られているのに、軍備増強や徴兵制の話までが、まるで正義の旗印のように威丈高に声高に押しつけられ、ひろめられて行く。こんなとき、音楽に何が出来るだろうか。あかるく、鋭く、さわやかに、しなやかに、豊かに、はげしく、関西合唱団がそれに答えてくれると期待する。
【外山雄三 作曲家・指揮者】


 先に、ミュージカル「青春をかけた挑戦」を作曲した時に、守屋さんにお見せした私の組曲「むしのたまご」を関西合唱団がとりあげて下さることになりました。これは神戸新聞に連載されていた阪神間の小学生の詩から私の心につよくふれてきたものを選んで1972年、合唱組曲にまとめたものです。(うち「かみさま」「ほし」は当時の神戸大学での教え子の作曲を編曲したものです。)関西合唱団というのは、いさましい歌ばかりうたっている合唱団という先入観念がありましたが、こういうやさしさにあふれた歌もうたってくれる合唱団だということがわかりとてもうれしく、今後をたのしみにしています。
 第40回定期音楽会のご成功をお祈りしつつ……。
【中村茂隆 神戸大学教授・作曲家】

曲 目 解 説

プログラムより
 ビートルズは1962年に最初のレコード「ラブ・ミー・ドウ」をイギリスで出しましたが、アメリカや日本でレコードが発売されたのは、1964年のことです。そして解散が1970年。わずか6年間のビートルズ、あっという間のビートルズです。
 そのビートルズが、またたく間に世界中の何千万という若者たちに愛され、解散までのわずか数年間でシングル版に換算して5億枚というレコードがひろまりました。そして10年たった今でも、レコード店には、大きな部分を占めたビートルズコーナーがあり、コンスタントな売れゆきを示しているといいます。その秘密はどこにあるのでしょう。ビートルズが日本で話題になったとき、不幸なことに、その音楽の内容や質でなく、彼等のヘアースタイルであり、ファッションであり、若者たちを熱狂させた騒動についてでした。そのヘアスタイルにしても今にしてみればおとなしいものです。要するに、彼等は音楽だけでなく、そのファッションでも、時代を先取りしていただけにすぎません。
 ビートルズは、それまでのロック音楽のもっていたバイタリティは受継ぎながら、その音楽は明るく、はつらつとした人生観にあふれ、ロック音楽に知的なリリシズムを持ち込みました。しかも彼等の作品には自己模倣がありません。ある曲がヒットしたからといってそこにあと戻りしてまねることなく、1曲1曲が新しく創造的であります。バイタリティにあふれ、古い既成の権威を認めず、いつも前向きでしかも若者の本音をうたい、やさしい愛に満ちているビートルズの音楽が、まじめに彼等の音楽を聴いた若者たちに熱狂的に受け入れられ、永遠の生命力を持っているのは当然でしょう。
 ビートルズは、高い音楽性、芸術性と大衆性をみごとに統一することが出来たまれにみる天才的な集団です。彼らは、それ以後の音楽のあり方に大きな影響を与えました。