定期演奏会の紹介

第47回定期音楽会の紹介

 5月の音楽会
 MAY CONCERT

演奏日時 1985年5月29日(水)・30日(木)午後6時30分開演
演奏会場 森之宮青少年会館文化ホール
指   揮 守屋博之/本並美徳/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/山下和子
吉田親家(アコーディオン)/三好良(ドラムス)/上里明(ベース)/
木下晃・中小路清行(トランペット)
出   演 関西合唱団/関西合唱団第69期研究生/関西合唱団アコーディオン班/
関西合唱団民謡班「わだち」/関西合唱団レガーテ/フリーダム/
「おいでまぶしい笑顔たち」合唱団
ス タ ッ フ 一杉忠(舞台監督)

演 奏 曲  1部 涙をこえて               (曲:中村八大 編曲:本並美徳)
Sing Song of Freedom       (訳詩:三浦昭悦 詩・曲:G.フレツチャー,D.フレット)
ぼくのうた

鬼剣舞                 (岩手県民謡)

春                    (詩・曲:原田義雄)
地球の仲間              (詩:クニ河内 曲:井上忠夫 編曲:原田義雄)
みんなでうたえる前に
ぼくら青年               (詩:エリ・オシャーニン 曲:エヌ・トウリコフ 訳詩:関鑑子)
私の愛した街             (アイルランド民衆歌 原詩:平井則之 訳詩:横井久美子
                                                  編曲:藤村記一郎)

【アコーディオン合奏】
アンダルシア             (曲:レクオーナ)
アフリカンシンフォニー        (曲:デンマッコイ)

女声合唱のための組曲
「おいでまぶしい笑顔たち」 (詩:佐伯洋 曲:木下そんき)
 あかい小さな手ぶくろ
 自転車が走る
 子どもといっしよに絵をかいた
 まぶしい笑顔たち

        2部 リンゴの花さくころ          (詩:イサコフスキー 曲:ブランテル)
フニクリ・フニクラ           (イタリー民謡 編曲:岡田和夫 共訳:青木爽・清野協)
夜明けに                (訳詩:鈴木寿一郎 曲:M.フィリップ・ジェラール 編曲:青山義久)
Down By The Riverside       (黒人霊歌)
イエスタディ               (訳詩:N.Masunaga 詩・曲:J.Lennon&P.Mc Cartney 編曲:斉田好男)
ツィガンの馬車は行く         (編曲:青山義久)
花の街                 (詩:江間章子 曲:團伊玖磨編曲:増田順平)

青葉の歌                (詩:小森香子 曲:熊谷賢一)

複爆40周年記念カンタータ「みどりの炎」より   (曲:外山雄三)
 私はヒロシマを証言する
 その眼のなかに墓標

合唱組曲「悪魔の飽食」より
君よ目を凝らしたまえ        (原詩:森村誠一 編詩:神戸市役所センター合唱団 曲:池辺晋一郎)

チラシ(表)

ごあいさつ

プログラムより
 本日は何かとお忙しい中、「5月の音楽会」にようこそおいで下さいました。
 今日の音楽会は、昨年5月以来一年ぶりの定期音楽会になります。この一年間での最大の取組みはなんと言っても「84年日本のうたごえ祭典」であり、平和とよりよい暮しを願う広範な団体・個人の力強い御支援をうけてあの大阪城ホールを18000人の超満員にし、うたごえ運動の歴史において画期的な祭典をつくりあげたことです。
 この祭典は、国民の生活とたたかいにある切実な思いを豊かに歌いあげていくことと、優れた専門家の方々との共同による質的にも高い内容への追求を統一させることによって、巾広い支持と共感を結集し、その成功がうたごえ運動だけでなく民主的文化運動全体に大きな影響を与えるものとなりました。この祭典づくりへ、関西合唱団が36年の蓄積を生し積極的な役割を発揮できたことに何よりも喜びと誇りをもつものです。
 今日の音楽会は、こうした一年間の合唱団の活動を「5月の音楽会」の名にふさわしく明るくてさわやかなプログラムに集約し、3年後に迎える創立40周年への新たな出発点にしていく音楽会です。
 そして被爆40周年・戦後40年の今年、「核兵器をいますぐ世界からなくそう!」という運動がさらに大きく広がっていくよう、外山雄三先生の新作である“被爆40周年記念・カンタータ「みどりの炎」”の抜粋、新婦人のうたごえの皆さんとの合同による「おいでまぶしい笑顔たち」の全曲上演をはじめとし、私達の平和への限りない思いを心から歌いあげたいと思います。今後とも暖かい御指導、御支援をお願い申しあげ、皆さまへのお礼とごあいさつにかえさせて頂きます。
1985年5月29日 【関西合唱団団長 西恒人】

メッセージ

プログラムより
 関西合唱団の「5月の音楽会」に、心からの声援を送ります。
 ことしは戦後40年、原爆被爆後40年と、日本人にとって忘れられない年となっています。この音楽会で日本軍が中国で行ってきた悪魔のような悪虐の数々を暴露した森村誠一の「悪魔の飽食」を合唱曲(池辺晋一郎作曲)としたものが歌われることにもその意味がありましょう。私はかつての日本人は被害者であるより加害者であったこと、そのことを忘れてはならないと思っています。その意味で「悪魔の飽食」の意義は深いと思います。一方、日本人が被害者となりましたが、次の世界の悪魔たちの被害を受けるかも知れない世界の人々への警告として反核の声もあげなくてはなりません。この8月に外山雄三作曲の新作品を歌われるのもその意味から重要でしょう。
 また、日本人が民主々義政治への歩みを始めて40年でもあります。国会とか地方政治とかだけでなく、労組のなかにも、わたしたちの文化運動のなかにも民主々義は固く守り抜かれねばなりません。その民主々義を歌声にこめて、5月の空高く歌い上げられることを期待しています。
 【音楽評論家 柴田仁】


 関西合唱団定期音楽会は今年47回を数える。長い歴史を持つ合唱団と何らかの関係のある人たちは十代から七十代まで多数にのぼるだろう。私も若い頃合唱団のうたを聞く機会がよくあった。元気で生きいきしたうたごえに私たちははげまされ、勇気づけられた。むつかしい理くつぬきで、人々をひきつけるうたごえの持つ力を不思議に思うことさえあった。
 今回この歴史と伝統ある関西合唱団音楽会に新婦人の組曲「おいでまぶしい笑顔たち」が発表される。
しんまえ新前の新婦人コーラス部も、これを機会に練習にはげみ腕をみがいた。当日の発表時間はわずか十数分。
しかしこの十数分のために月日を重ねて練習を続けてきたものだけが味わえる「カネでは買えない」喜びを今回から新婦人も体験できるわけだ。
 女性は本来うたが好きである。うたが好きなのにうたうチャンスを持てないでいた多くのなかまたちにぜひ聞いていただきたい。そして共にうたっていただきたい。あなたの参加がコーラスの音量を深くし、質を高める契機となるのだから…。
【新日本婦人の会大阪府本部会長 柴田悦子】


 被爆40周年の今年、内外の平和の声と行動が高まる中で開かれる今日の演奏会は、平和と子どもの幸せを求める人々の願いが、“うたごえ”となって大きく響きわたることでしよう。昨年の日本のうたごえ大阪祭典の成功は、運動内外に大きな励ましと確信を与えましたが、その活動の中心となった関西合唱団が若い仲間を大量に迎え、外山雄三さんの新作「みどりの炎」や婦人の平和への願いをうたった「おいでまぶしい笑顔たち」などの意欲的なうたごえは、「85年日本のうたごえ祭典」(更京・国立代々木競技場)に向って活動する全国への大きな励ましともなることでしょう。
 戦後の荒廃の中から「うたごえ運動」が生れて37年。そのうたごえは、この国の平和と幸せ・自由と民主々義を願う人々の旗印となってきました。「うたごえは平和の力」が今日の演奏会で一層鮮かな豊かな花を咲かせることを願って。
【日本のうたごえ全国協議会幹事長 浜島康弘】