定期演奏会の紹介

三合唱団合同演奏会の紹介

 日本のうたごえ40周年記念
 三合唱団
 (中央合唱団・関西合唱団・名古屋青年合唱団)
 合同演奏会

演奏日時 1988年5月14日(土)午後6時30分開演
演奏会場 ザ・シンフォニーホール
名吉屋公演 5月11日(日)午後2時開演
愛知厚生年金会館ホール
東京公演 6月5日(日)午後2時開演
簡易保険ホール(ゆうぽうと五反田)
指   揮 守屋博之/渡辺一利/鳴海卓門
ピ ア ノ 門万沙子/藤村誠/神谷佳代子/兼松千里/杉江千恵子
アコーディオン 松永勇次/加藤実
出   演 中央合唱団/関西合唱団/名古屋青年合唱団/
日本のうたごえ40周年記念創作曲をうたう合唱団/
東大阪センター合唱団/北部センター合唱団/レガーテ/関西合唱団第72期研究生/
井上頼豊(チェロ独奏)
ス タ ッ フ 一杉忠(舞台監督)/小笠原由美子(司会)

演 奏 曲   1部 プロローグ
とべよ鳩よ                   (曲:I.ドナエフスキー曲)

      【三合唱団合同/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

ロシア・メドレー                (編曲:伊藤辰雄)
 我らの仲間、バイカル湖のほとり、バルカンの星の下に、カチューシャ、
 トロイカ、野をこえ山をこえ
収穫の歌                    (詩:M・イサコフスキー 曲:I・ドナエフスキー 訳詩:関鑑子
                                                       編曲:松永勇次)
百万本のばら                 (詩:A・ウォネズネセンスキー 訳詩:松山善三 
                                            曲:R・パウルス 編曲:赤堀 文雄)
つばめ                      (アルメニア民謡 編曲:マコヴィチ 訳詩:中央合唱団)
輝く道                      (詩:A・ダクチーリ 曲:I・ドナェフスキー 訳詩:中央合唱団)

      【中央合唱団/渡辺一利(指揮)/藤村誠(ピアノ)/松永勇次(アコーディオン)】

ひとつの歌を                  (詩:新川和江 曲:林学)
マンコロのうた                 (詩・曲:三浦朗生)
社宅の子守唄                 (原詩:燃脇寿美子 曲:林学)
芦別の雪のなかを               (詩:門倉訣 曲:林学)
ねがい                     (詩:佐藤信 曲:林光)

     【名古屋青年合唱団/鳴海卓(指揮)/神谷佳代子・兼松千里(ピアノ)/加藤実(アコーディオン)

私の牧場                    (メキシコ民謡)
ラ・ゴロンドリーナ               (メキシコ民謡)
祭りと花と娘                  (スペイン交響詩「エスパーナ」より 訳詩:鳥羽俊三 
                                                 曲:シャブリエ 編曲:青山義久)

山賊のギャロップ               (詩:玉川大学合唱団 曲:J・シュトラウス 編曲:高森義文)
ベラ・チャオ(さらば恋人よ)         (イタリア民謡 編曲:R・ルコフスキー 
                                               訳詩:東大音感合唱研究会)

美しき五月のパリ               (詩:加藤登紀子 曲:不詳 編曲林光)
耕すものへの祈り               (訳詩:林光 曲:ビクトル・ハラ 編曲:林光)
行けわが思いよ黄金の翼にのって    (オペラ「ナブッコ」より 曲:A・ヴェルディ)

     【関西合唱団/守屋 博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

演 奏 曲   2部 チェロ独奏
ラフマニノフ   前奏曲 作品23の10
クライスラー   愛の悲しみ
サン・サーンス 白鳥
プロコフィエフ  行進曲(歌劇「3つのオレンジへの恋」から)

     【井上頼豊(チェロ)/杉江千恵子(ピアノ)】

演 奏 曲   3部 三合唱団・記念合唱団合同ステージ

空に小鳥がいなくなった日         (詩:谷川俊太郎 曲:外山雄三)
ひとりぼっちの裸の子ども          (詩:谷川俊太郎 曲:外山雄三)
緑                        (詩:永瀬清子 曲:木下そんき)
おおブナの森よ                (詩:関山昭子 曲:大西進)
うた                       (詩:石黒真知子 曲:林学)

交響曲<風雪>より 「道」         (詩:土井大助 曲:外山雄三)

エピローグ
平和の子守歌                 (詩:H・Katwo 訳詩:木内宏治 曲:A・Haug 編曲:木内宏治)

     【三合唱団/記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

チラシ(表)

ごあいさつ

チラシより
 本日はお忙しいなか、ようこそおいで下さいました。
 今年は、日本のうたごえ運動が誕生して40周年になり、全国でこれを記念する事業が多彩にくり広げられています。大阪においても、府民の様々なたたかいと結びあいながら、生活の中にある切実な願いをうたごえに花咲かせて来ましたが、その蓄積を土台に、次の50周年の一歩となる運動を進めたいと考えています。
 私達をとりまく社会の動きは、真実をみぬく確かな瞳と、人閤らしい心を育くむうたごえを強く求めています。40年の間、共に喜びや苦しみを分ち合って来た中央合唱団・名古屋青年合唱団を迎えての今日の音楽会は、こうしたうたごえ運動への期待をさらに広げるに違いないと確信しています。
 皆様の日頃の御支援に深くお礼申しあげますと同時に、これからも一層の御指導・御協力を下さるよう心よりお願い申しあげます。
【関西合唱団団長 西恒人】


 本日のご来場を心からお礼申し上げます。
 40周年を記念してならではの今回の三合唱団合同演奏会が、多くの方々の協力を得、大阪、名古屋、東京で開催されることは、大きな喜びです。
 この演奏会の成功が、来年2月3〜5日、日本武道館他での、40周年記念、日本のうたごえ祭典を、豊かに、花ひらかせていく力になると確信しています。
 うたごえ運動の創始者、団の主宰者であった関鑑子先生は、“新しい国民大衆を主人公とする音楽運動の発展を”と、働く人々の願いや要求が、うたごえの波となり、津々浦々にひろがるように、私たちの活動と音楽の勉強を叱ロ激励しつづけました。
 今、あらためて、先生の歩みと生き方に学びつつ、“うたごえは平和の力”“うたは、闘いとともに”をかかげ、関西合唱団、名古屋青年合唱団をはじめ、全国のうたごえ合唱団、サークルの皆様と、手をたずさえ、“うたごえ”の大行進を出発させる決意です。
【中央合唱団団長 播磨豊和】


 戦後の荒廃の中から人びとの生きる希望の灯として産ぶ声をあげた、うたごえ運動が、幾多の風雪をのりこえ、今年40周年を迎える事が出来ました。「音楽の担い手は国民一人ひとり」「音楽を平和と社会進歩に役立てる」ことを一つのものとしてすすめてきたうたごえ運動にさまざまな御支援・御協力をいただいた皆さんに心から感謝申しあげます。
 折りしも今年は運動の創始者、関鑑子先生が亡くなられて15年目にあたります。
 「平和で健康なうた」が一層ゆたかに国のすみずみにひろがる事を願い、皆様とともに力を合わせ平和のうたごえを決意新うたに高らかにひびかせていきたいと思っています。今後ともよろしくおねがいいたします。本日はお忙しい中をありがとうございました。
【日本のうたごえ全国協議会 幹事長 名古屋青年合唱団団長 浜島康弘】


 40年の蓄積を土台にして、うたごえ運動があらたな発展をかちとろうとしている今、困難だが栄光にみちた歴史をともに切り開いてきた三合唱団が、力をあわせて共同の創造的課題にとりくんでいることの意味は大きい。
 40周年記念作品の練習を、三都市ですすめるなかで、この作品を書いた作曲家たちの、熱い思いや、苦しみや、ゆたかな年輪をひしひしと感じる。その思いや苦しみは、またわたしたち合唱団のものでもある。
 音楽会に来てくださった方たちが、わたしたちの歌を聞いて、生きることに誇りとよろこびをもって下さるように、一生懸命、心をこめて演奏したい。
【関西合唱団常任指揮者 守屋博之】

メッセージ

チラシより
 四十年前、誰が今日の三合唱団を予想しえたでしょう。日本のうたごえ運動創立の年に生まれた中央・関西・名古屋青年の三合唱団は、どれも十数名の少集団でした。
 いご、三合唱団はうたごえ運動の最強の先進部隊として、運動と創造の両面で一貫して大きな成果をあげてきたことは、よく知られています。
 日常活動の積み重ねから生まれる音づくりの魅力こそ、三合唱団の音楽的特徴だと思います。
 今回の合同公演は、世界にも例がないといわれる日本のうたごえ運動四十周年の到達点を示すとともに、次の十年への展望を準備するものとなるでしょう。成功・前進を心から期待します。 
【井上頼豊】


 若々しく、雄々しく、理想の灯をかかげて出発してから40年。激動の日々だったに違いない。試行錯誤に悩んだときもあろう。苦しいことの連続に立ち止りそうになったこともあろう。しかし、ほんとうに大切なものをはっきりと見定め、ひとすじに豊かなうたを目指してきて、今日のずっしりと深く根をおろした皆さんの姿がある。この上は、この3つの合唱団が名実ともに「うたごえ運動」の先頭に立って積極的に、大膽に、しかも、慎重に、しなやかに、ますます豊かな音楽を創り続けて下さるように切望する。それが、日本の音楽全体を豊かにすることにも、直接つながっている筈だから。
【外山雄三】

プロフィール

プログラムより
関西合唱団

 1948年、中央合唱団の関西地方公演を聞いた青年を中心にして9月に創立された。以来大阪における中心合唱団としての大きな役割だけでなく、全国の運動における創造活動の先頭にたってきた。年2回の定期音楽会の持続的な運動を軸にして、専門音楽家との共同によって創り出した一連の作品は、運動の質的前進に積極的な役割を果している。又世界各国の優れた作品を意織的に取り上げていることや、音楽的蓄積は、演奏の魅力をしなやかで豊かなものにしている。

名古屋青年合唱団

 1948年6月、中央合唱団公演を前後して創立。以来愛知の中心的合唱団として活動。団員、研究生併せて140名が在籍。'77'88の2回の日本のうたごえ祭典愛知開催の中心となって活躍。日本のうたごえ全国協議会前幹事長、杉浦敏郎氏、現幹事長、浜島康弘氏、作曲家の大西進氏、林学氏など数多くの人材を同団から輩出している。草の根運動と結んだ創作活動は、全国の群を抜いている。

中央合唱団

 創立1948年2月。“うたごえは平和の力”“1人の仲間がひとりの仲間を”を合い言葉に、美しい日本のうた、世界各国のうた、国民の生活とたたかいのうたをうたい、ひろめ、創ってきました。全国のうたごえ合唱団とともに、ソヴィエト・中国・インドネシア・ベトナム・アメリカ・キューバ・東欧での海外演奏に参加してきました。「解放のうたごえ」「ロシアソヴィエト合唱アルバム」・「鳥たちへの詩」をはじめ、数多くのレコード・テープを音楽センターより発行しています。
創立40周年を迎える団は、現在団員110名、研究生は20名、研究生の修了者は、1万名を超え、東京を中心に、全国各地で活躍しています。

井上頼豊

1912年東京に生れる。
1942年〜1987年この間リサイタル25回。多くの内外の新作を初演。又、執筆、合唱指導、チェロ講座など。第5・6・7・8回チャイコフスキー国際音楽コンクール審査員。日本音楽コンクール審査員。
桐朋音楽大学教授。