定期演奏会の紹介

第60回定期音楽会の紹介

 5月の音楽会

演奏日時 1995年5月18日(木)・19(金)午後7時開演
演奏会場 森ノ宮ピロティホール
指   揮 守屋博之/本並美徳/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/土肥永津子/山下和子
出   演 関西合唱団/関西合唱団とともにうたう合唱団/関西合唱団OB/レガーテ
ス タ ッ フ 一杉忠(舞台監督)

演 奏 曲  1部 うた                                 (詩:佐藤信 曲:林光 編曲:本並 美徳)

(メドレー)
  みんなは夜明けをまっている
  離陸準備完了
  たんぽぽ
  おくりもの
  君は生きているか
  俺達のシルクロード

花をおくろう                            (詩:森田ヤエ子 曲:荒木栄)>
芦別の雪の中を                         (曲:林学 編曲:高平つぐゆき)
労働者はいいぞ                         (詩:関西合唱団 曲:関西合唱団 編曲:赤堀 文雄)

死んだ男の残したものは                   (詩:谷川俊太郎 曲:武満徹 編曲:本並美徳)
自転車にのって                         (詩:横井久美子 曲:横井久美子)>

愛は時を越えて                         (詩:芹沢類 曲:織田哲郎 編曲:青山義久)
真夜中を突っ走れ                       (詩:高見沢俊彦 曲:高見沢俊彦 編曲:源田俊一郎)
瑠璃色の地球                          (詩:松本隆 曲:平井夏美 編曲:関西合唱団)
アクエリアス(ミユージカル「ヘアー」より)
サマータイム(オペラ「ボギーとベス」より)         (編曲:源田俊一郎)
踊り明かそう(ミュージカル「マイ・フェア・レディ」より)  (編曲:源田俊一郎)
すべての山にのぼれ(ミュージカル「サウンドオブミュージック」より

        2部 混声合唱のための組曲「忘れっぽい人に」   (詩:中桐雅夫 曲:外山 雄三)
 1.白いハンカチ
 2.母子草
 3.想像力
 4.忘れっぽい人に

カンタータ『人類のあたらしい規則』より         (曲:外山 雄三)
  路上の子供たち
  なにもかも…                         (詩:ドウニャ、14歳)
  戦争やあらそいを…                   (詩:イヴァナ、14歳)
  蝶々                             (詩:パヴェル・フリードマン)
  墓標                             (詩:峠三吉)
  ヒロシマというとき                     (詩:栗原貞子)
  永遠のみどり                        (詩:原民喜)

みんなのうた                          (詩・曲:原田義雄 編曲:青山義久)

チラシ(表)

ごあいさつ

プログラムより

 本日は関西合唱団第60回定期『5月の音楽会』にようこそおいでくださいました。
1995年の幕が開き、阪神大震災、毒ガス事件・・・大切に、たいせつに生まれてきた生命が、人間のおごりが渦巻く中でいとも簡単につぶされていきました。そして50年前も・・・「もう絶対戦争はしない」と、誰もが心に決めたはずなのに、幾多の犠牲者を出しながら、それを認めない無反省な言動が、今また、国の内外で起こってきています。
 この国の歴史を引き継ぐ者として、わたしたちにできることは、事実を見つめ、学び、大切なものを失いたくないと声をあげること。私たちの新たな決意をお聴き下さい。そして、今回の音楽会は、60回というひとつの節を迎えました。戦後の焼け跡の中から湧き起こった”希望”を、社会の中で、くらしの中で歌い継いできたうたごえ運動。その中で生まれ、今も輝きを失わないうたをたくさん歌います。OBも駆けつけてくれました。どうぞ最後までごゆっくりお聴き下さい。
 大阪中に、日本中に、うたと笑顔があふれる日を夢見て、音楽を発信していきたいと思います。これからもご指導、ご支援のほどよろしくお願いします。
【関西合唱団団長 山口みゆき】

メッセージ

プログラムより

 週刊誌の片すみに、ほんとうのやさしさと明確な意思、鋭い感性につらぬかれた詩の断片をみつけたのは、もう7〜8年前のことである。以後、その作品と作者を探して数年が過ぎ、ようやく中桐雅夫さんの詩集にたどりついた。予想をはるかに超えるすばらしい作品ばかりである。その中の四編に作曲しようという計画を支持して下さった守屋博之さんは、たった4つの小曲なのに一向に作業のはかどらぬ私を、いままでにも増して辛抱強く待ち、たくみに励まして下さった。感謝のほかはない。中桐作品のかなしみにも似た憤りの重さは、ほとんど私を打ちのめした。
 「人類のあたらしい規則」は昨年11月末に完成していなければプロフェッショナルとしての作曲家を廃業するつもりで居たが、公私ともに予想外、予定外のことが続出していまだに完成のメドが立たない。合唱団の方たちにとんでもないご迷惑のかけどおしである。
【外山雄三】


 1970年、外山雄三先生作曲・指揮「炎の歌」が、大阪で初演されました。"被爆婦人の集い"が歩みはじめて間もない頃でした。
 曲が流れ出たとき、「あ、あの鐘は、ヒロシマから聞こえてくる!」と思わず言った被爆婦人、合唱団の皆さんに被爆体験を語った被爆婦人も、もう逝ってしまいました。
 「炎の歌」を御縁に、外山先生からどれだけ多くのご支援をいただき続けたことでしょう。
そして今年、被爆50周年に、外山先生の新しい曲「人類の新しい規則」が、上演されます由、意義深く、そして感動で胸がいっぱいです。
 私たちは、今セミパラチンスクの核実験被害者と交流を始めています。合唱団から届けられたプリントにフィージーの少年の「ぼくが子どもにあげたい世界は、草が青々としていて、核兵器なんてないところなんだ」という言葉がありました。私たちには痛いほど解る非核平和へのメッセージです。
 どうぞみなさん、この少年の心を心として、すばらしい上演を!とご期待申し上げます。
【"被爆婦人の集い"高木静子】


 第60回の定期演奏会の開催おめでとうございます。
 大阪はもちろん、日本のうたごえを代表する合唱団として活躍されていることにあらためて敬意を表します。
 日本のうたごえは、被爆・戦後50年の今年、"被爆50周年、核兵器NO! とどけよう世界へ"のスローガンで「ピースウェーブ・コンサート’95ひろしま」として日本のうたごえ祭典(8月5日、広島サンプラザ、6000名)を開催します。
 それにむけて、"PEACE WAVE・SINGING PLAZA=平和うたう会"1000回めざす活動を展開しております。こうした中で、その時々の「時代」を映すうたごえの先頭に立って活動してきた貴合唱団の演奏会への期待は大きいと思います。
 今、うたごえが50周年にむけて、社会の激しい動きの中で、平和への願いと生きることの勇気を育んで前進することが求められている時、この音楽会の成功と一層の運動のひろがりをつくり前進することを期待します。
【日本のうたごえ全国協議会幹事長 高橋正志】