定期演奏会の紹介

第61回定期音楽会の紹介

 平和によせるアンソロジー 5月の音楽会

演奏日時 1996年5月22日(水)・23(木)午後7時開演
演奏会場 森ノ宮ピロティホール
指   揮 守屋博之/本並美徳/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/土肥永津子/山下和子
保阪真弓(フルート)/三上摂(太鼓)
出   演 関西合唱団/平和によせるアンソロジーを歌う合唱団/レガーテ/
ス タ ッ フ 大阪センター企画(舞台進行)一杉忠/山本真一郎/別所秀一/橋本昌和

演 奏 曲   1部 トリッチ・トラッチ・ポルカ            (詞:門えりお 曲:J.シュトラウス 編曲:田中信昭)
ウィーンわが夢のまち              (詞・曲:Rudolf Sieczynski 訳詩:あかはらひろし 編曲:青山義久)
ラヴ ミー テンダー               (詞:Vera Matson 曲:Elivis Presley 編曲:東海林修)
1行詩による合唱組曲「父よ母よ」より     (詩:吉村英夫撰著「父よ母よ」「息子よ娘よ」より 曲:藤村記一朗)
  1.プロローグ
  9.行動がともなえばね!
 10.わかっているんだよ

   【関西合唱団/本並美徳(指揮)/土肥永津子(ピアノ)】>

芦別の雪の中で                (詞:門倉訣 曲:林学)
生きるものの歌(レガーテ)          (詞:永六輔 曲:中村八大 編曲:上柴はじめ)

      【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)】

いい日旅立ち                  (詞・曲:谷村新司 編曲:久石譲)
恋人たちのペーヴメント            (詞:高見沢俊彦・高橋研 曲:高見沢俊彦 編曲:青山義久)

   【関西合唱団/山本恵造(指揮)/土肥永津子(ピアノ)】

春のワルツ                   (詞:緒園涼子 曲:アルディーティ)
原體剣舞連                   (詩:宮澤賢治 曲:清瀬保二)
雨ニモマケズ                  (詩:宮澤賢治 曲:高平つぐゆき)

   【関西合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/保阪真弓(フルート)/三上摂(太鼓)】

         2部 平和によせるアンソロジー

組曲「IN TERRA PAX」より        (詩:鶴見正夫 曲:荻久保和明)
  OH MY SOLDIER

組曲「そして一輪の花のほかは・・・」より
  木の実                    (詩:茨木のり子 曲:外山雄三)

レクイエム「いのちこそ」より         (詩:土井大助 曲:池辺晋一郎)
  川面に

6人の作曲家による合唱組曲より
      家なき子のクリスマス       (詩:原民喜 '曲:林光)

組曲「海と愛と花」より             (詩:峯陽 曲:小林秀雄)
川は流れる

エピローグ
歌劇「沖縄」より                (詞:歌劇「沖縄」台本グループ 曲:歌劇「沖縄」作曲グループ)
終幕の大合唱

   【関西合唱団/平和によせるアンソロジーを歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

チラシ(表)

ごあいさつ

プログラムより
 本日は、関西合唱団第61回 5月の音楽会へようこそおいで下さいました。
 今、日本中に"人間らしくありたい"という願いが広がっています。住専問題、沖縄・基地・安保問題、HIV訴訟、震災復興問題など、今までひとりひとりの中に渦巻いていたものが、堰を切って流れ出しました。そこに、たくましい想像力をもって共感する人々もどんどんふえています。そうした想像力=自分のこととして捉え、思いやる心を培うのが文化の役割なのかもしれません。わたしたちも、あふれ出たエネルギーを励まし続ける歌をうたうためにもっと豊かな想像力と創造力をもてるよう努力したいと思います。
 芸術を磨き、人間を磨き、体を鍛えることを追求した宮澤賢治。彼を生んた岩手で今年、日本のうたごえ祭典が開かれます。本日うたいます「雨ニモマケズ」がその祭典の中てもうたわれます。ぜひみなさんも歌い手としてご参加ください。
 1998年には日本のうたごえ運動が、そして関西合唱団も50周年を迎えます。そして来年には50周年を記念する日本のうたごえ祭典を大阪で開催することになりました。前回1984年の大阪祭典は大阪城ホールを埋め尽くす18,000人の参加で、うたごえの歴史を切り開くものとなりました。今回もうたごえ運動が持つ魅力と音楽そのものが持つ魅力を最大限に引き出し、たくさんの人たちの願いを集めて、21世紀を展望する祭典を創っていきたいと思います。
 わたしたち関西合唱団は、うたごえ50年の歴史を受け継ぎながら21世紀に向かううたごえをしっかりと響かせるため、祭典成功に向けて全力を尽くす決意です。そのステップとしての本日の音楽会を、どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。
 みなさまのこれまで以上のご支援、ご協力をお願い申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
1996年5月22日 【関西合唱団 団長 山口みゆき】

メッセージ

プログラムより
 日本のうたごえ運動は、その創立から半世紀、二年後には、50周年を迎えようとしています。
その間、一貫して「うたごえは平和の力」を合言葉に平和のうたをうたいつづけてきました。
 関西合唱団は、その中心的合唱団として、全国のうたごえを愛する人たちに創造的、運動的示唆をあたえてきたことは衆知のことです。
 今回も「平和によせるアンソロジー」はじめ、宮澤賢治生誕百年によせる“賢治の世界”そして、歌劇「沖縄」より終幕の大合唱等の音楽が平和を求め、人間らしさを大切にしたいと望む人たちの胸深く届くことでしょう。
 この音楽会がうたごえ50周年記念日本のうたごえ祭典大阪(’97年)・東京('98年)にむけたステップとして成功することを心から期待します。
【日本のうたごえ全国協議会幹事長 高橋正志】

 第61回音楽会を迎へられる関西合唱団の皆さまへ 人間が人間らしくありたいという様々な願いを歌に託し、また明日へ向かう勇気が湧いてくる音楽をめざし、創立以来48年間歌い続けてこられた関西合唱団の皆様に深く敬意を表します。毎年定期音楽会を開催され、この5月、第61回音楽会では、賢治生誕百年も記念し開くとのこと、誠におめでとうございます。そして秋の祭典成功へのステップとして「雨ニモマケズ」と「原体剣舞達」を演奏されるよし、どうぞ大いに楽しんでください。賢治の「農民芸術概論綱要」の中に「芸術をもてあの灰色の労働を燃せこゝにはわれら不断の潔く楽しい創造がある」とあり、皆様方のうたごえ運動とまさに一致するものと存じます。どうぞ声高らかに、日本全国各地にイーハトーブの世界に響きわたりますよう御祈念いたします。
【宮澤賢治記念館長 宮澤雄造】

 第61回定期音楽会の開催にあたり、「沖縄のたたかいは、私たちのたたかい、沖縄に連帯する企画を」と、私たちへの熱い思いを寄せて頂きまして、心から感謝申上げます。
 今、沖縄は、依然としてゾウのオリ(米軍の通信施設)の不法占拠状態が続き、大田知事の県民を代表としての米軍基地強制使用に反対する裁判が、最高裁へと引き継がれて闘われています。また、先日行われた日米首脳会談は、県民の怒りと要求を逆手にとって、普天間基地を返還する代わりに、嘉手納や岩国などへのたらい回し、新たな滑走路の建設などに、1兆円もの税金をあてるという内容でした。このように21世紀まで安保と米軍基地を固定化し、しかも、安保体制をアジア、太平洋に拡大することは、沖縄の心を踏みにじるもので絶対に許せません。
 24年前までは、私たち、沖縄は、日本国憲法が適用されない米軍の占領下に置かれ基地被害にあって、命や財産を奪われても、泣き寝入りするしかありませんでした。
 憲法の下で生活したい、基地を撤去させ、緑豊かな平和な沖縄を取り返そうと、島ぐるみの闘いを続け、勝ち取った祖国復帰でしたが、今なお基地被害は絶えず、県民の我慢も限界にきたのが、10・21県民集会(8万5千人)でした。そして日本平和大会とまさに、「うたごえは闘いと共に」の如く、1・15連帯集会での日うた代表団との歴史的な出会い、交流など、全国の支援のお陰で、沖縄のうたごえの再建を担う、私たち、南ぬ風(フェーヌカジ)合唱団が誕生したのです。結成されたばかりで、未熟ですが、「平和四団体の新春のつどい」、「県労連の春闘集会」、「沖縄問題を考える映画と講演の集い」、「みんなうたう会」、「メーデーの文化行事の担当」などと、休む間もなく頑張っています。
 21世紀に、基地のない平和な沖縄、日本を築くために、これからも益々連帯を強め、共に歌い交わし、励ましあっていきましょう。
 第61回定期音楽会の、感動的な大成功を心からお祈りいたします。
【南ぬ風(フェーヌカジ)合唱団 団長 宮望美恵子】