伊藤光子先生の声楽講座

     合唱に求められる声とは

日程  2007年1月28日(日) 午後1時30分〜4時30分 譜読み練習12時30分〜
場所  グリーン会館

 今年度2回目の日曜講座は、伊藤律子先生の声楽講座です。1月28日(日)に大阪グリーン会館で行われました。
当日は会場一杯の100名を越える方々で会場は埋まり、体を動かしたり、楽しい説明と実践的な練習の声楽講座が行われました。

 会場準備のために12時に集合。早く来た団員と参加者・研究生と椅子並べを始めました。
 午後12時30分より「千曲川メモリー」と「さくらさくら」の譜読みを守屋さんさんの指揮、門さんのピアノで開始。続いて副指揮者のバスYさんの紹介で声楽家の伊藤光子先生が登場。

12時より会場設営。早く来ていた団員と参加者・研究生とともに椅子を出して並べました。 12時30分より譜読みを開始。参加者はまだ埋まってなく、この練習中に入ってこられました。指揮は守屋さん、ピアノは門さんです。 1時30分より伊藤先生の紹介。
まずは基本的な歌う姿勢や暗譜して歌うことの重要さについて話されました。新しい曲にチャレンジして暗譜する努力はボケ防止にもつながるのだそうです。 続いて正しい姿勢を保つために、全員壁の前に立たされました。先生は会場の真ん中に立ち指示されました。 そして思いっきり両手を壁の前で上に持ち上げます。
この姿勢で壁を背にして背が壁にくっつくように立ちます。そして発声練習となります。 伊藤先生は今回も「合唱団で実際に声を変えてきた」と今日勉強する事がみんなの力になる事を強調されました。心強いです! はじめに「千曲川メドレー」を歌いました。長野県を流れる千曲川、その自然豊かなイメージを長野県にお住まいの伊藤先生がいろいろお話ししてくださいました。
練習のテンポは「3、4ヶ月で仕上げるよう練習を心がける。」。そのため「毎回の練習で覚える努力が必要。2,3回や休んだらついて行けなくなるくらいがよい。」とも。聞きましたが、我が団の団員は! 「歌詞をうまく読める人はうまく歌える。」ということで、「千曲川メモリー」の歌詞をつかむために、全員で歌詞を2分で縦書きに書き写すように指示されました。 机を利用する人もいました。時間がかかっています。
「ソプラノの最初の♪きのう・・・♪の「き」の明度を変える。明るくするのに上あごを浮かす。お腹には力を入れる。「のう」で押さない。」「Y行はイをつけて歌う。」。なるべく楽譜を外してして指揮に集中して歌うように指示されました。 3時半近くとなり休憩を入れ、後半は「さくらさくら」。「この曲は海外で日本の歌を紹介するために編曲されている。」「ぶつかった音でさくらの美しさを表現している。」「最初はソプラノとアルトのバランスで色が変わる。」「歌い出しのフォームが大切。これを身に付き得ること。」とも。 続いて全員で立って「千曲川メドレー」と「さくらさくら」の2曲を歌いました。細かく注意されたことが果たしてできたでしょうか。そして一番注意されたその曲の歌詞に寄り添った響きとなったでしょうか?
午後4時を過ぎ、質問コーナーとなりました。次々に各合唱団の切実な問題が相談されるのですが、これは実はどの合唱団にも共通の問題です。 その質問に先生はてきぱきと回答されていました。下にその一部を紹介しておきます。 午後4時半をまわり終了時刻となりました。先生へのお礼を副指揮者のYさんがします。そして次回の特別講座青島先生の合唱講座(6/3日)のご案内をしました。どうもありがとうございました。

伊藤先生は質問にもてきぱきと答えて頂けました。
●「ソプラノの音程がぶら下がる。対処方法は?」には「その人の一番出しやすい音域のパートに移る方が幸せになる。また、呼吸が浅いのが原因。一杯すわせる練習が必要。」
●「浅い声に困っているが?」には「体を使っていない。ベルトを締めさせて感じさせて歌う。無理をすると生態にポリープができるので、内声に移り、アンサンブルを楽しむと良い。」
●「口の開け方について?」には「開けすぎると堅くなる。のどの奥を開ける。口は自由に動かす。「ア」は開けすぎると奥を締めてしまうので注意が必要。」
●「後出しで困っている?」には「顎をものすごく動かすために遅くなる。歌詞をしゃべらせる練習を2〜4人単位でやる。それでも直らない場合は本番でその部分を黙ってもらう。こういう人は遅れても最後まで歌ってしまう傾向があるため。特に自分で拍子を取っている人は注意が必要。ただし、お互いの信頼関係を大事にして良いところは大いに評価しながら説得すること。」
●「緊張すると声帯が乾くのですが?」には「声帯は乾燥に弱い。本番前に濡らす。ぬるま湯やさらっとした飴、自分の好きな調合で小瓶を用意しておく。」
●「腹筋の鍛え方は?」には「立ってノの字で上半身を柔らかくすると良い。胴体は柔らかくしておく。」
 とってもわかりやすい説明で体の事、呼吸の事、声の事、詩をつかむ事、ハモる事など盛りだくさんの内容で大変勉強になりました。
 この他にも伊藤先生はたくさんお話しをされたのですが、このアルバムでは断片的な紹介しかできなかったことをお詫びします。なお、今回のビデオもあります。ご希望の方はご連絡下さい。
【テノール S】