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混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」

一緒に歌いませんか
 誰でも歌える覚えやすい曲です。
演奏を出前します
 地域コンサートや集会などのイベントに歌いに行きます。
 


 混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」は、だれもが安心して医療や介護を受けられるようにとの願いを込め、医療や介護現場ではたらく人たちの思いを歌にしたものです。
 この曲は全9曲からなる合唱組曲で、大阪民主医療機関連合会と関西合唱団が企画制作し、詩人の上田假奈代さんに作詞を依頼し、大阪民医連の看護師、ヘルパー、医師やケースワーカー、そして訪問看護やデイサービスの利用者などに聞き取りを重ねて歌詞をつくり、安広真理さんが作曲したものです。(歌詞は下段をご覧ください。)2007年5月20日NHK大阪ホールにおいて開催された関西合唱団第72回定期演奏会で全曲初演されました。

歌 詞 全 文 混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」
 作詞 上田假奈代 作曲 安広真理 制作 大阪民主医療機関連合会、関西合唱団 
 
プロローグ

空に生まれてくる星よ
風に舟の帆なびくよ

波にきらめく星のように
生まれてくるいのちよ

このいのちが いのちを果たし
空にむかって帰るとき
また夜空に星が生まれる

そのあいだに わたしたちは
ことばを覚え うたをうたう
あなたにあえて ほんとうに よかった
ありがとう そのことばを 今日もうたおう


第1章  おはよー! わたしは看護師

おはよー! 今日も微笑む
おはよー! 笑顔がみたくて
おはよー! 今日も微笑む
おはよー! あなたに微笑む

幼い妹の病院通いに付き添った母のうつむく顔
みんなの笑顔が戻るように 看護師になろう こころに誓った

仕事は今日も山積 つぎからつぎへとつづく 疲れ果てる白衣
ほんとうは 今すぐ駆けつけたい そばにいて寄り添いたい
もうすこし もうすこし

いま笑顔が大切だとわかってるけど 忙しくて凍る笑顔
「ちょっと待っててくださいね」 何度も待たせる 辛さ胸痛む

仕事は今日も山積 つぎからつぎへとつづく 疲れ果てる白衣
ほんとうは 今すぐ駆けつけたい 話をきいてあげたい
時間よとまれ がんばれ わたし

おはよー! 今日も微笑む
おはよー! 笑顔がみたくて
おはよー! 今日も微笑む
おはよー! あなたに微笑む 


第2章  看取りの現場

わからない わからない 言葉をうしない
わからない わからない かなしみに声もでない

死に慣れることはなく
その人の最後の時は
どんな言葉も言い表せない

人生の幕が閉じるまで
耳を傾ける 耳を近づける 

わからない わからない 言葉をうしない 
わからない わからない 残された家族に 目を伏せる

人は生まれる おぎゃーと生まれたその日から
人は死にゆく 役割を果たし最後のその日まで

いのちが空にかえる日よ 人生が海に帰るよ
なみだの海にかえる日よ その日まで微笑みを その日まで微笑みを


第3章 自転車で今日も走るヘルパー

雨でも真夏でも今日も自転車 走るわたしはヘルパー
買い出し掃除お風呂ご飯の支度 走るわたしはヘルパー

車いすを押しながら 父を思い出す 
お酒に気をつけて からだにも心くばってね 

太陽のように あたためよう 暮らしを 日々を
ひなたの時間 自転車に乗って 走るよ 走る

空のみえる窓のそばへ ベッドを動かしてあげたいけど
介護の仕事は制度の枠のなか 
望んでも望まれても 動いてはいけない
なんのための制度だろう 

雨でも真夏でも今日も自転車 走るわたしはヘルパー
買い出し掃除お風呂ご飯の支度 走るわたしはヘルパー

名前でよびあう関係は 人生を教えてくれた
孤独をささえる毎日の いのちをつなぐ喜び

太陽のように あたためよう 暮らしを 日々を
ひなたの時間 自転車に乗って 走るよ 走る 走るよ 走る


第4章 現場の仲間たちのうた

朝 まだ明けきらない空の静かな空気
歯磨き 水の音 ぐるり洗濯機をまわして 

仕事に行くのが楽しみだから「おはようさん」
微笑む 仲間たち みんなの元気が力に

はじめから上手くできない 落ち込んでも大丈夫
先輩も 若い頃に 同じように悩んだって

落ち込んだら思い出して 最初の気持を
微笑む 仲間たち あきらめないうたを歌おう
微笑む 仲間たち あきらめないうたを歌おう


第5章 ディサービスのおたのしみの時間

A「こちらのおばあちゃん 100歳ですって」
B「いや あたしは 99や」
C「まあ 長生きですなあ あたしはそんな長生きできまへん」
A「え おばあさん おいくつですか?」
C「あたしか?95歳」

長生き自慢は元気な証拠
今日も好物の せんべいぱりぱり
あなたにあげよう これもあげよう
あら喉がつまった お茶どうぞ

ひとりでいるよりみんなといよう
今日も笑って 歌でもうたおう
ひとりでいるよりみんなといよう
今日も笑って 歌でもうたおう

長生きしてねと孫に言われて「ハイ」
孫の夢なら あたしの夢よ 
たったひとつだけ 戦争はイヤ
みんなで笑って 歌でもうたおう

ひとりでいるよりみんなといよう
今日も笑って 歌でもうたおう
ひとりでいるよりみんなといよう
今日も笑って 歌でもうたおう


第6章 夫婦のぼちぼち

夫婦ふたりで一人分
「こけんかなー」心配しながら
歩く練習 すこしづつ
杖つく人とすれちがう

あの人たちもがんばってるんやな
わたしたちもがんばりたいな
人は強く生きられないから
ゆっくり ぼちぼち ゆっくり ぼちぼち

夫婦ふたりで一人分
わけあって ふたりの生活 
ヘルパーさんも 看護師さんも 
みんな助けてくれる

いつ誰がどんな病気になるのか 
元気なときには考えもしない
病気が教えてくれた人生の大切さ

あの人たちもがんばってるんやな
わたしたちもがんばりたいな
人は強く生きられないから
ゆっくり ぼちぼち ゆっくり ぼちぼち


第7章 いのちのために

誰でも暮らしの営みを持ち
誰でも誰かと関わり生きている

病気や怪我で暮らしが変わるとまどい
はげまし支えていく 医療の現場

貧しくて病院に行けない人が増えている
その中で 失われていくいのち

医療が削られ 介護が削られ
いのちまで削れというのだろうか

このまま 黙っていないで 顔をあげよう
暮らしを守れない制度に 声をあげよう

いま このいのちのために 
いま あしたのいのちのために 
いま このいのちのために 


エピローグ

いつのまに歳をかさねて
くりかえす季節の思い出よ
ふりかえる道 何を残せるのだろう

誰もが孤独に思えてしまう
そんなとき 見上げてごらん
いま届けられる 星のひかりを

ここに生きることを うたおう
こどもの人たちに 伝えよう
ここに生きることを うたおう
わたしたちのうた 今を生きるうた 
今を生きるうた

初演を聞いた方の感想 ●ナースとして働いていて、ごめんね、待っててねと、忙しい職場では口ぐせになっています。心にひびく歌詞と曲です。覚えたいです。

●とっても良い歌だと思います。ヘルパーさんの気持ち、職員の気持ち、うちの職員さん
たちにも聞かせてあげたいです。みんな何かを忘れてしまっているようで、新鮮な気持ちになりました。またがんばれる気がします。

●大変感動しました。一つひとつの歌に沢山の人生をみました。涙が出てきてこらえるのが大変でした。うしろの席の人も泣いていました。歌っている人たちの思いと一つになった気がします。


メッセージ
 医療はすばらしい仕事です。1人の人間が病に取り組みそして死んでいく、それを援助する仕事。自分が勉強して身につけた知識や技術が人の役に立つ仕事。やりがいのある仕事です。私は医師になって30年以上が経ちました。医師になってよかったと心から思っています。数え切れない数の人を診療し、多くの人の死に立ち会いました。しかし時に本当に自分が適切な診断や治療やケアができているのか自信がなくなることがあります。死に直面した患者に接して語る言葉が見つからず、自分の力のなさを痛感することもあります。もっと自己研鑽する努力とそれができる余裕が必要だと思います。
 1人の人間が死んでいく。それはそばにいる人間にとっても大変なことです。先日も映画「東京タワー」を見て涙が止まりませんでした。そんな場面に日常的に同席するのが、医療の仕事です。でも日々の仕事では忙しすぎて、感情を押し殺した実務的なものになっていると気づくことがあります。
 患者さんやご家族を大切にした医療をしたいです。でもこのままここで働き続けると、自分がすりつぶされてしまう。そんなことが頭をかすめます。「もうできない」と仕事を辞める同僚がいます。医療従事者が自分を大切にすることと、患者さんを大切にすることが並び立つそんな医療システムが必要です。
 この合唱組曲が医療という仕事のすばらしさを輝かせ、人を大切にする医療制度をつくる力になると確信します。
【大阪民主医療機関連合会会長 池田信明】


生きるうた。歌いつぐうた。

 医療の現場に携わる方、ケアされている方に取材を行い合唱組曲をつくり、歌いつぎたい、と関西合唱団の山本さんが訪ねてくださった時には、合唱という運動なのだと思った。そしてこれまで公務員や高齢者などさまざま人に聞き取りを行い詩をつくり、展示や朗読という手法で発表してきたわたしにとって、それは挑戦したい仕事だった。民医連の宮川さんのコーディネィトによって看護師、ヘルパー、ケアマネージャー、利用者、医師、ケースワーカーなど15人の方にお話を伺う。ともかく現場の仕事は大変だ、ということがわかる。制度のしめつけが現場で働く人と患者・利用者にしわ寄せとなっている。加齢しない人はいないし、病気や怪我をしない人もいないだろう。それなのになぜか医療や福祉は隅に追いやられている。声の大きい人たちによって社会が動いているようにみえる。
 けれど、もう黙っていないで、顔をあげ声をあげたい。語り合いたい。ちいさな声に耳を澄まし、自分自身の気づきを大切にしたい。そんな思いを詩に託した。
 メロディにのる言葉は花びらをのせて舞う風のようにどこへでも行ける。くちずさむと、勇気が運ばれてくる。歌うとは、こころに風をいれることだと思う。職場でも帰り道でもお風呂のなかでも歌があると、呼吸が楽になる。呼吸。このうたに内包するテーマは呼吸であり、歌われることによって具現化する。
 詩の言葉を削る作業をまかせ、ご苦労をおかけした作曲家の安広さん。取材の調整、同行してくださった宮川さん、山本さん、おふたりの思いが詩のなかに息づいています。歌いづらいところが多かったと思うのですが、指揮者の先生をはじめ合唱団のみなさま、ありがとうございます。ますますのご活躍をお祈りしています。
【上田假奈代(詩人)】


 平然とした顔で傷口に塩を塗り込むような政治がどんどん行われていることに、不気味さと怒りを感じます。
 ひとりひとりの生命が尊重され、誰もが安心して暮らしていける社会にするために、私たちは力を合わせていかないといけない、その力の一部にこの曲がなれたら・・・、と思っています。
【安広真理】

CD、楽譜好評発売中 初演ライブCD(定価2000円)
 全曲初演を含んだ「関西合唱団第72回定期演奏会」のライブ録音CD(全33曲収録)。100名の合唱団による初演の熱い思いが伝わってきます。ほかにも特別企画でいろいろな合唱団の演奏を収録。2枚組でおトクです。

楽譜(定価1000円)
 全9曲ピアノ伴奏譜付きの楽譜集です。全曲にギターコードがついているので簡易伴奏にも役立ちます。作者のメッセージや歌詞全文、初演データなどに不可欠な情報も掲載。

(※ライブCD・楽譜を一括購入の場合には、割引をいたします)

お問い合わせ、お申込みは 関西合唱団
 Tel : 06−6962−5482  Fax : 06−6969−1261
 住 所 : 大阪市城東区鴫野西5−17−16大阪音楽センター内(地図参照
 E-mail : kansaigasshoudan@ybb.ne.jp
 H  P : http://www.geocities.jp/kansaigasshoudan/
 交 通 : JR学研都市線鴫野駅下車徒歩10分