伊藤光子先生の声楽講座

     いつまでも魅力ある声づくりのために

日程  2004年12月5日(日) 午後午後1時30分〜4時30分 譜読み練習1時〜
場所  クレオ大阪西多目的ホール

 今年度の最初の日曜講座は、伊藤律子先生の声楽講座でスタート。12月5日(日)にクレオ西の多目的室で行われました。
当日は会場一杯の100名を越える方々で会場は埋まり、体を思いっきり動かし、楽しい説明と実践的な練習の声楽講座が行われました。

 会場準備のために12時45分に集合。椅子並べを始めましたが、思いの外会場が小さいのにビックリ。大きな会場が借りられなかったとは聞いていたのですが、はたして100名座れるのでしょうか。さらに当日は12月なのに全国的に暑く(夏日になる地域も)、会場の大きな窓からさんさんと陽が入って暖められていました。すぐに窓を開けカーテンをして空調をかけました。ところが季節柄、冷房にはなりません。伊藤先生は長野にお住まいで暑い部屋には慣れていらっしゃらないとのこと。どんどん入ってくる方々の熱気と併せて大変な事態になるのでは、と心配してしまいました。
 午後1時より高田三郎作曲「愛そして風」の譜読みを団の副指揮者Yさんの指揮、土肥さんのピアノで開始。続いてYさんの紹介で声楽家の伊藤光子先生が登場。

午後1時より高田三郎作曲「愛そして風」の譜読み練習を開始。会場は7割方埋まっています。会場が少し狭く、横長なのが気にかかります。 ピアノはいつも団がお世話になっている土肥さんです。 受付の2人。本当は会場の中で伊藤先生の講習を受けたいのですが・・・。途中で受付を閉めて中に入ってもらいました。
譜読みの練習の横で次回の浅井先生の合唱講座(1/23日)の楽譜のセット。この講習の終わりに持って帰ってもらうためです。 譜読みの練習は団の副指揮者のYさん。譜読みだけでなく何とかピッチを上げようとするのですが・・・、「ここは伊藤先生が教えてくれます」! 譜読みを終えた後で研究生の修了演奏会(12/18土)の紹介。
満を持して伊藤光子先生の登場。副指揮者のYさんが「伊藤先生の指導で60歳でも上のラの音が出る」と紹介します。 伊藤先生は「合唱団で実際に声を変えてきた」と今日勉強する事がみんなの力になる事を強調されました。心強いです! 椅子をいったん積み上げて、まずは体操から。しっかり腕を上げて体操を伸ばします。
続いて腕を横に伸ばして手のひら、肘、肩、頭、腰の順に脱力していきます。しかし会場が狭くドアから出て体操する人も。すみません・・・。 しっかり脱力して体を戻していきます。上半身の脱力が大切との事。「呼吸をする力は年齢と共に落ちる。正しいフォームを身につけ、毎日の生活の中に組み入れて鍛える事が大切。」とのこと。これができるようでできない一番の課題です!日常生活の一部になる方法を各自考えよう。 姿勢を確認するために壁に向かって腕を真上に上げます。人数が多いので壁は取り合いとなりました。写真はめでたく壁に向かえた方々!
続いて複式子呼吸のポイントを紹介します。バスのTさんが指名されて仰向けになります。腹式呼吸をしてもらい、お腹を押さえます。思わずTさんが「ウッ!」。 続いて重心のポイントをつかむ練習。他の人に片手を支えてもらい両手と片足を水平にします。この時ぐらつかない場所が重心になります。全員が2人でペアを組み行いました。 バスのTさんを例に腹式呼吸の位置を確かめています。伊藤先生は「合唱の7割は呼吸です。」、「毎日ストレッチと呼吸の練習をする事で見違えるようになる」とおっしゃいます。
体操が終わり、合唱に入ります。美しい旋律の高田三郎作曲「愛そして風」は先生がこの講座のために選ばれました。他の合唱団でも練習しているとのこと。 先生は最初の男声のハミングで「息を流す事。体が太くなるようなイメージ」と言われました。数は少ないのですが男性陣も講座に参加しています。真ん中の若い男性は高校1年生!今からこのような勉強をすれば将来有望です。 「詩を良く読む事。朗読すると良い。関西は後押しで野暮ったくなるので注意。」「詩は縦書きで書いて覚える。そうすることで前奏がなるとその世界に入れるようになる。」 よし、団の練習曲の詩を早速書こう!
「目の裏を見る。」「中を良く持ち上げる。」ことを注意されるとソプラノのピッチが上がって来るから不思議です。「目の裏は見られません?」との声もありましたが、「喉の奥を引っ張る効果がある」そうです。イメージが大切なんですね。 女声の所では「跳躍は下の音程を正しいフォームで歌う事が大切。下あごに舌をのせて下に落とすと良い。」「上唇を歯から2ミリ話す。」 「ハモるという事は自分の声が聞こえてはダメ。他のパートの声が聞こえるはず。自分の声に酔ってはダメ。」「アルトも時声だけでなく、よく持ち上げて響きを付ける。」
午後3時を過ぎました。先生のお話に引き込まれてあっという間でした。ここでしばし休憩です。 曲の部分では複数のパートが平行した音型で動く。そこを「スキーのパラレルのように動く。」 今度は前列と後列を入れ替えるように。
集中力を高めるため伊藤先生の合唱団では守っている事があるそうです。それは各種連絡を1回しかしない事なのだそうです。その場でしっかり聞いて覚える習慣がつくそうです。私達の合唱団なんて聞いていない人が大いばりです!反省! 最後にハーモニーができるかどうか、他の人に寄りかかって歌っていないかパートをバラバラにして歌います。小編成も良いそうです。習った事は自分のものにして力量を上げる。するとみんなも習うようになる。その姿勢をほめるとどんどん伸びていく。 講習が終わり質問コーナー。「合唱とソロの違いは?」「ソプラノのピッチを上げる方法は?」「喉を痛めない方法は?」など具体的な質問が出て来ます。先生は丁寧に説明してくれます。
午後4時半をまわり終了時刻となりました。先生へのお礼を副指揮者のYさんがします。どうもありがとうございました。 次回の日曜講座のご案内。浅井先生の合唱講座(1/23日)の楽譜を持って帰って頂くように 椅子を片づけて終了です。もう外は暗くなっていました。

伊藤先生は質問にもてきぱきと答えて頂けました。
●「合唱とソロの違いは?」には「出し方は同じだが、真っすぐ声を出す事をマスターすることが必要。」
●「ソプラノのピッチを上げる方法は?」には「チェンジの薄目具合がある。アゴを落とす。上を持ち上げ引っ張り上げる。体の柔軟性が必要。目の裏を見る。このとき顔は美しいまま。」
●「喉を痛めない方法は?」には「しゃべり声は地声なのでつぶれてしまう。持ち上げてしゃべる事。」
 とってもわかりやすい説明で体の事、呼吸の事、声の事、詩をつかむ事、ハモる事など盛りだくさんの内容で大変勉強になりました。団員からの感想では、「わかりやすかった。」「体作りの必要性が分かった。」「呼吸のお話が良かった。もっとして欲しかった。」「体操が良かった。」「合唱指揮者としても大変優れている。」「もう一度講習を受けてみたい。」などの意見が出ていました。また、「会場が狭かった。」「体操する場所がなかった。」「会場が細長く、せっかくの先生のお話が場所によって聞き取りにくかった。」との声もありました。会場が思いの外小さく、申し訳ありませんでした。

 この他にも伊藤先生はたくさんお話しをされたのですが、このアルバムでは断片的な紹介しかできなかったことをお詫びします。なお、今回のビデオもあります。ご希望の方はご連絡下さい。
大きな写真をUPしました。(2005/01/05)【テノール S】