定期演奏会の紹介

第69回定期演奏会の紹介

      と き
 
同じ時代を生きるあなたへ

 ご来場ありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、演奏会を無事終了することができました。
 演奏会のご意見・ご感想などありましたら、どしどしメールでお寄せ下さい。
なお、当日の本番の様子やリハーサルの様子アルバムに、曲の資料は今後アップしていきます。


演奏日時 2004年28日(金)・29日(土)午後7時開演  開場は6時30分
演奏会場 いずみホール
指   揮 守屋博之/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/土肥永津子/山下和子
伴   奏 小川悟史(ドラムス)/藤岡靖博(ウッドベース)
出   演 関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団
レガーテ/
ヴォーカルアンサンブルAVANTI
スタッフ 森昭夫(舞台監督)
チ ケ ッ ト S席 3,500円 A席 3,000円 B席 2,500円 (当日座席指定)
※A席・B席は、小中学生、障害者500円引き。

演 奏 曲  1部        ステージT
Summertime            (曲:George Gershwin 編曲:金井信)
Don't cry for me, Argentina   (詩:Tim Rice 曲:Andrew Lloyd Webber
                    (編曲:Barrie Carson Turner 訳詞:野坂けいこ)
Swanee               (曲:George Gershwin 訳詞:Naomi Matsuzaka
                                        編曲:金井信)

   【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/
      門万沙子(ピアノ)/小川悟史(ドラムス)/藤岡靖博(ウッドベース)】
翼                  (詩・曲:武満徹 編曲:Keiko Yoshida)
トランペット吹きの休日     (曲:Leroy Anderson 編曲:伊藤辰雄)

   【AVANTI/門万沙子(ピアノ)/藤岡靖博(ウッドベース)】
       ステージU
だれかが風の中で       (詩:和田夏十 曲:小室等 編曲:小林康浩
                                       ソロ:富樫龍一)
風のように            (詩・曲:小田和正 編曲:金井信)
桑ばたけ              (詩:門倉訣 曲:關忠亮 ソロ:相摸豊)
ねがい               (詩:大洲中学校3年生有志 編詞:山ノ木竹志 
                                     曲:高平つぐゆき)

   【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)
                                  /土肥永津子(ピアノ)】

       2部 壁きえた             (曲:新実徳英 詩:谷川雁)
二度とない人生だから    (詩:坂村頁民 曲:さとう宗幸)
谷茶前ぬ浜           (沖縄民謡)

   【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)】
       ステージV
混声合唱のための組曲「そして一輪の花のほかは・・・」
                            -あたらしい憲法のはなし-
 より
                ・・・・1983年関西合唱団委嘱作品 (外山雄三作曲)

   【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)
                                  /門万沙子(ピアノ)】

       エピローグ
What a wonderful world   (詩・曲:George David weiss George Douglas
                                       編曲:徳備康純)
HAPPY XMAS          (詩・曲:John Lennon 訳詞:山口みゆき 
                                       編曲:赤堀文雄)

みんなのうた          (詩・曲:原田義雄 編曲:青山義久)

   【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/
       門万沙子(ピアノ)/小川悟史(ドラムス)/藤岡靖博(ウッドベース)】






チラシ
(表)
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チラシ
(裏)
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曲目解説
チラシ裏より
ヒロシマノ中学生がつくった“平和宣言”が混声合唱曲に・・・混声合唱曲版「ねがい」を演奏。
 「ねがい」は2002年、広島の中学3年生が卒業前に9.11同時テロの衝撃と悲しみから本当の平和を願って平和宣言をつくり、それに曲をつけたものです。この詩は現在25ヶ国語に訳されています。

「ねがい」  作詩:大州中学校三年生有志
           編詩:山ノ木竹志

1. もしもこの頭上に 落とされたものが
   ミサイルではなく 本やノートであったなら
   無知や偏見から 解き放たれて
   きみは戦うことを やめるだろう

2. もしもこの地上に 響きあうものが
   爆音ではなく 歌の調べであったなら
   恐怖や憎しみに 囚われないで
   人は自由の歌を うたうだろう

3. もしもこの足下に 植えられたものが
   地雷ではなく 小麦の種であったなら
   飢えや争いに 苦しまないで
   共に分かち合って 暮らすだろう

4. もしもひとつだけ ねがい叶うならば
   戦争捨てて 世界に愛と平和を
   このねがい叶うまで わたしたちは
   歩みつづけることを やめないだろう

曲目解説
チラシ裏より
不戦を誓った憲法のこころを歌う 「そして一輪の花のほかは・・・」を20年ぶりに再演
 “よその国の争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということにきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの国をほろぼすことになるからです。(後略)”1947年に文部省が中学1年生用の教科書として発行した『あたらしい憲法のはなし』の1節です。
 戦後の原点である平和主義を誇らしく掲げた憲法を変えようとする動きが急激に強まっているいま、この曲を多くの方に聞いていただきたいと考えています。

曲目解説
チラシ裏より
ジャズとミュージカルのスタンダードを合唱で
 ジャズのスタンダードナンバー・・・どこかで聞いたことのある曲も多いと思います。
 アメリカで生まれた最大の芸術のひとつ、それは奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人たちの音楽をルーツに西洋音楽と融合して発展してきました。
 その特有のスタイルやブルーノートと呼ばれる音の調べを合唱にするとどんな雰囲気になるのでしょうか・・・

ごあいさつ
(プログラムより)
 本日は、関西合唱団第69回定期5月の音楽会にようこそおいでくださいました。
 イラク戦争から1年がたち、今なお激しい戦闘が行われる中、自衛隊のイラク派遣が国民の反対を押し切って強行されました。「日本人の多くが戦争を知らない世代。これは憲法9条のおかげ。」の元アメリ力海兵隊員アレン・ネルソンさんの言葉に、世界に誇る日本国憲法の素晴らしさを改めて感じました。今の憲法があるからこそ私たちは当たり前のことを、当たり前のこととして日常生活を送れることがたくさんあるのではないでしょうか?
 今回お送りします合唱組曲「そして一輪の花のほかは…」は様々な角度から憲法の心を歌い上げております。今日を機会に、改めて命、平和の大切さを感じ、考え、行動するきっかけになれば幸いです。
 「うたごえは平和の力」を合言葉に平和のメッセージを、また人々の暮らしを応援するうたごえを届けたいと思います。
 これからもご指導、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。どうぞごゆっくりお聞き下さい。
【関西合唱団 団長 吉岡勝】

メッセージ
(プログラムより)
 69回を迎えた定期演奏会の開催おめでとうございます。
 うたごえの財産を今に輝かせ、また、常に新しい演奏創造に挑戦し、時代の新しい息吹を感じさせ楽しませてくれる貴合唱団の意欲的な演奏に、今年もまた期待をふくらませています。
 今、平和憲法、とりわけ第9条が重大な岐路に立たされている中で、不戦を誓った憲法の心をうたった「そして一輪の花のほかは…」の再演は、大きな意味を持つことと思います。
 多彩で豊かな演奏を通して、地域や職場にうずまく、平和を、よりよい暮らしをと願う人たちとともに、憲法を生かし、人間を輝かせる“うたごえ”をつくり、力いっぱいひびかせていくことを願いメッセージといたします。
【日本のうたごえ全国協議会会長 高橋正志】

プログラムノート
(プログラムより)
ステージT
 Summertime
(1935) オペラ『ポーギーとベス』の劇中で歌われる。ガーシュインが作曲した全3幕からなるオペラで、白人の警官役以外は全て黒人のみで歌われる異色の作品であり、足の不自由な小柄の青年ポーギーと、腕っ節の強い乱暴な大男のクラウンの情婦だったベスとの悲しい恋物語である。
 Don't cry for me,Argentina(1978) 世界的にヒットしたミュージカル『エビータ』の劇中歌。アルゼンチンの田舎での不遇な生活から大統領婦人にまで昇りつめ労働者民衆から圧倒的な支持を得て、いまも“聖母エヴァ”と慕われているエビータが、劇中、大統領官邸のバルコニーで民衆を前にして歌う美しい曲。
 
Swanee(1919) アメリ力南部を流れるスワニー河、そのほとりに住む母親を思い出し、望郷の念を歌にこめている。「ラプソディー・イン・ブルー」「パリのアメリ力人」や「ポーギーとベス」などの名曲を作り今世紀のアメリ力音楽界の父とも称されたガーシュインが21歳の時、ジャズ・シンガーのアル・ジョンソンが歌い、これが大ヒットし、人気作曲家となった曲。今回の演奏会のために合唱編曲を依頼。
ヴォーカルアンサンブルAVANTI
 ヴォーカルアンサンブルAVANTIは、合唱団のメンバーの中から結成された4人のグループ、独自の演奏活動にも精力的に取り組んでいる。
 翼(1982) 武満のソングは非常に親しみやすいにも関わらず独特の雰囲気を持っている。この曲は恩地日出夫作の演劇「ウィング」で歌われたもので「私にとってこうした営為(いとなみ)は、「自由」への査証を得るためのもので、精神を固く閉ざされたものにせず、いつも柔軟で開かれたものにしておきたいという希い(ねがい)に他ならない。」と武満は記している。
 トランペット吹きの休日(1954) ボストン・ポップス付きの作曲家ルロイ・アンダーソンが、軽音楽風の親しみやすい曲として数多く作曲したものの一つで、3本の独奏トランペットのための名曲である。

ステージU

 だれかが風の中で(1971) 人気ドラマ「木枯らし紋次郎」の主題歌で上條恒彦が歌いヒットした。極めてクールな紋次郎とウェスタン調の曲が絶妙なコントラストをなしている。
 風のように(1997) 小田和正が歌いCM曲としても使われた。叶わぬ恋人への思いが胸に染みる切ないラブソング。今回の演奏会のために合唱編曲を依頼。
 桑ばたけ(1957) 1954年アメリ力軍による立川基地(東京・砂川町現在の立川市)拡張要求を受けた測量調査の実施強行に対し、町議会や住民は反対運動を繰り広げた(砂川闘争)。このたたかいを全国的に支援する活動の中で数多くの作品がつくられたが、この曲もその一つである。砂川に多い桑畑をモチーフに農民の怒りと悲しみ、願いを歌った大衆的歌曲として今日でも広く歌われている。
ねがい(2004) 2001年に広島市立大州中学校の3年生が広島合唱団との交流を通して、9.11同時テロの衝撃と悲しみから自分たちの平和宣言を発表。これに、映画「力ンダハール」の監督マフマルバフのメッセージを加えて「ねがい」という曲(たかだりゅうじ曲)が生まれ、翌年3月の卒業式で歌われた。「21世紀、ヒロシマで生まれたイマジン」として、現在26か国語に訳されている。今回は、混声4部合唱版として関西合唱団が高平つぐゆきに作曲依頼したものを演奏する。
レガーテ
 レガーテは、関西合唱団主婦班を母体にして1980年同名称に改め独自の活動を開始、全日本おかあさんコーラス全国大会でひまわり賞を受賞するなど活躍している。
 壁きえた(1991) 曲が先に作られ後から詞をつけるというユニークな手法で十代のために作られた「白いうた青いうた」の中の1曲で後に作曲者自身が女声合唱に編曲したもの。ベルリンの壁が崩壊した直後に作られ・東西ドイツ統一の歓びを歌っている。
 二度とない人生だから(1992) 人はいかに生きるべきかをテーマに書きつづける詩人坂村真民の詩集『念ずれば花ひらく』所収の同詩に歌手のさとう宗幸が曲をつけた。平易な言葉は誰の心にもストレートに響き、心を包み勇気を与えてくれる。
 谷茶前ぬ浜 沖縄民謡。谷茶前(たんちゃめ)は沖縄本島の中部恩納村にある美しい浜。歌詞の大意は「谷茶前ぬ浜にきびなご(うるめいわし科の群遊魚)が寄ってくるぞー!きびなごではなくてミジュン(いわし科の群遊魚)だそうだぞー 男達は魚を獲りに女達は魚を売りに 売れて戻ってきた女達は(体にしみ付いた魚の匂いも)匂いも新鮮だ ヘイ!」

ステージV
 混声合唱のための組曲「そして一輪の花のほかは…」−あたらしい憲法のはなし−(1983)より
 この組曲は、3部構成になっており、T「毛馬の台座」(犬塚昭夫詩)、U「そして一輪の花のほかは…」(ジェイムズ・サーバー作)、Vは日本国憲法第9条、茨木のり子の「木の実」、石垣りんの「式のあとで」、峠三吉の「墓標」および『あたらしい憲法のはなし』
会において初演(ザ・シンフォニーホール)。今回はUとVを演奏する。
 「そして一輪の花のほかは…」は同名の絵本の全文に曲がつけられている。同書は1939年第2次世界大戦が始った年に書かれたものであるが、人類の愚かな行為に対する先駆的な警告の書として高い価値を持っている。組曲の最後は、1947年に文部省が中学校1年生用の社会科教科書として作成した『あたらしい憲法のはなし』の中から「戦争放棄」の文章を抜き出したものである。この内容は、制憲議会での首相答弁にも見られる憲法制定当時の政府の有権的解釈に合致しており、敗戦直後の戦争から解放された喜びと平和憲法に対する誇らしさが時の政府の文章にも現われている。
 急激な改憲の動きにあるいま、再び戦争の惨禍を繰り返さないと誓った平和憲法の原点と先駆性を感じ取っていただきたい。

エピローグ

 What a wonderful world(1967) ジャズの王様とも呼ばれるルイ・アームストロングのために作られた。1988年制作のアメリ力反戦映画「グッドモーニング・ベトナム」の中で、ベトナム庶民の生活環境が焼き払われるクライマックスシーンでこの曲が流れていたことは象徴的である。
 HAPPY XMAS(1971) 曲はジョン・レノンとオノ・ヨーコのそれぞれの娘への呼びかけで始まり、全ての人が戦争を止めてクリスマス、新年を迎えようというメッセージを分かり易く伝える。「戦争は終わった」と歌ってはいるがこの曲が発表された1971年には泥沼のベトナム戦争はまだ終わっていなかった。曲のテーマは69年に「WAR IS OVER "IF YOU WANT IT" Merry Christmas from John and Yoko」のビルボードをニューヨーグのタイムズスクエアなどに掲示したときに使われたものと同じである。