定期演奏会の紹介

第73回定期演奏会の紹介

 創立60周年記念

 ご来場ありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、演奏会を無事終了することができました。
 演奏会のご意見・ご感想などありましたら、どしどしメールでお寄せ下さい。
なお、当日の本番の様子リハーサルの様子はアルバムに順次アップしました。

演奏日時 2008年日(土)午後6時半開演 開場は6時  日(日)午後2時開演 開場は1時半
演奏会場 いずみホール
指   揮 守屋博之/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/石田瑞枝/山下和子
ドラムス 橋本浩太
出   演 関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/レガーテ/ヴォーカルアンサンブルAVANTI
スタッフ 黒川淳子(司会)/森昭夫(舞台監督)
チ ケ ッ ト S席 3,500円、A席 3,000円、B席 2,500円(全席前売指定) 高校生以下、障害者の方は全席500円引きです。

演 奏 曲  第1部 とべよ鳩よ                 (詩:M.マトゥソフスキー 曲:ドナエフスキー 
                             訳詞:1957年(第6回)モスクワ友好祭参加日本のうたごえ代表団)
ロシアメドレー(一週間〜カチューシャ〜トロイカ〜ともしび〜泉のほとり〜カリンカ)  (編曲:赤堀文雄)
ベリョースカ(白樺)            (詩:A.ベズメンスキー 曲:E.ドレイズイン 編曲:V.サカロフ 訳詞:北川剛)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/橋本浩太(ドラムス)】
Bird Eyes鳥になった瞳        (曲:W.A.モーツァルト 詩:麻生圭子)
Time to say goodbye           (詩:I.Quarntotto & F.Peterson 曲:F.Sartori 編曲:高平つぐゆき
                                                             訳詞:関西合唱団)

    【
ヴォーカルアンサンブルAVANTI/門万沙子(ピアノ)】
混声合唱のための「よびかけ」より U.戦死やあわれ    (詩:竹内浩三 曲:外山雄三)
「明るい未来のためのJポップメドレー」より
  「世界にひとつだけの花」「涙そうそう」「明日があるさ」   (編曲:金井信)

    【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)/橋本浩太(ドラムス)】
5人の作曲家の編曲による「うたごえ作品集」

 仲間達                   (編曲:徳山美奈子 詩:くすみまこと 曲:芥川也寸志)
 五月のうた                (編曲:石若雅弥 詩:森田ヤエ子 曲:荒木栄)
 俺たちのシルクロード          (編曲:青山義久 詩:荒井良夫 曲:たかだりゅうじ)
 たんぽぽ                 (編曲:金井信 詩:門倉さとし 曲:堀越浄)
 その手の中に              (編曲:小林康浩 詩:砂入りえ 曲:安広真理)


    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)/橋本浩太(ドラムス)】

       第2部 西村朗委嘱作品
混声合唱とピアノのための組曲
「レモン哀歌」(全曲初演)
                       (詩:高村光太郎 曲:西村朗)
 第1章 千鳥と遊ぶ智恵子
 第2章 山麓の二人
 第3章 レモン哀歌

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

 
いとし子よ                 (詩:小森香子 曲:原田義雄 編曲:青山義久)
鉄路                    (詩:S.アルィモフ 曲:I.ドナエフスキー 訳詞:汨更子)

    【関西合唱団60周年記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

ふるさとの風               (詩:KOTOMI 補作・曲:木下そんき)
みんなのうた               (詩・曲:原田義雄 編曲:青山義久)

    【関西合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/
     守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

チラシ
(表)
大きな画像(555KB)
チラシ
(裏)
大きな画像(296KB)

ごあいさつ
(プログラムより)
 本日は、関西合唱団創立60周年記念第73回定期演奏会にようこそお越しくださいました。団員一同を代表いたしましてお礼中し上げます。
 本日の演奏会では、うたごえ運動と関西合唱団の60年の蓄積を踏まえ、合唱団の音楽的な可能性を探求しつつ企画いたしました。西村朗先生にこのたび初めて新作委嘱をお引き受けいただき、混声合唱とピアノのための「レモン哀歌」を初演することができることを光栄に感じております。また、うたごえ運動が生み出してきた数々の名曲を5人の作曲家の方々に編曲していただき現代的な息吹を吹き込んで演奏いたします。
 最後のステージでは、私どもの先輩や協力くださった方々が関西合唱団60周年記念合唱団としてご出演いただきます。どうぞごゆっくりとお楽しみください。
【関西合唱団 団長 山本則幸】

メッセージ
(プログラムより)
 創立60周年記念演奏会おめでとうございます。
 あらためて、職場、地域に根ざし、うたごえを広げてきた60年の年輪とその重みを思い、合唱団員はじめ、合唱団を支えてきた多くの人たちに心からその労をねぎらいたいと思います。
 今回は、うたごえ60周年にふさわしい、うたごえ運動のこれまでと現在、そして今後を現すものとして企画され、運動の財産の再創造、時代のテーマに機敏に対応したオリジナル作品、委嘱作品等これまでの創造の積み上げを反映した演奏に多くの期待が寄せられていることと思います。日本のうたごえは、「うたごえは平和の力」として活動し、今年、60年周年を迎え、ll月には"夢と平和"かがやけ九条!の思いをこめて、60周年記念日本のうたごえ祭典in東京を開催します。
 60周年を記念して開くこの演奏会が貴合唱団の新たな未来を切り開くコンサートとして、また、「60周年記念祭典」に連帯する演奏会として成功することを期待しています。
日本のうたごえ全国協議会会長 高橋正志
関西合唱団創立60周年記念合唱団
 「関西合唱団の60年間の歩みの中で活動の時期、歌う時期は違っても、数知れない多くの仲間が、専従者・団員・研究生・ともにうたう団員としてうたい「うたごえ」にかかわってきた。」
(呼びかけ文より)として、昨年9月に発足し、毎月1回練習を重ね今回の定期演奏会が初舞台となる。「鉄路」は、第2次世界大戦が終わった1947年にドナエフスキーが作曲したものを関西合唱団が訳詞し、1966年日本に紹介した曲である。「いとし子よ」は、小さい子どもが「いのちの重さってどんな重さ」と母親に問うたときの受け答えを聞いて作った小森香子の詩に原田義雄が曲をつけた世界中の子どもへの深く強い愛を歌っている。演奏会の最後は、2007年に開催された日本のうたごえ祭典in奈良のテーマ曲として委嘱され歌われた曲のひとつ「ふるさとの風」を、関西合唱団と関西合唱団創立60周年記念合唱団の合同で演奏する。
【日本のうたごえ全国協議会会長 高橋正志】

作曲者 西村朗先生より
(プログラムより)
混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」初演にあたって 作曲者 西村朗
 関西合唱団の委嘱により作曲しこのたび初演されるこの合唱組曲は、私としては初めて高村光太郎の詩をテキストとして作曲した合唱曲です。ここに用いた詩はいずれも有名なもので、かなり以前から読み親しんでいたものですが、最近になって急に感ずるところが強く深まったものでもあります。ようやくにして詩境に理解が近づいたということかもしれません。光太郎(1883〜1956)の生涯は日本近代の激動期と重なっており、伝記などが示すとおり、一人の芸術家としてはその社会的な実生活環境と個人的な内的精神的生活の両面において、特異なまでに複雑困難な一生を送ったと言えるでしょう。おそらくその魂は一生を通じて安息の時を得ることはなかったと思われます。詩集「智恵子抄」(1941)、「典型」「知恵子抄その後」(1950)などには光太郎の魂の孤独と悲哀と絶望が鋭く表現されています。これらは単なる抒情詩集ではありません。より厳しく生と死と人間存在の孤独を描いたものです。晩年、敗戦後の虚脱を経ての隠遁生活のなかで、あるいは、かつてのその清らかな心を病んで先に旅立っていった愛妻、智恵子の思い出だけが老詩人の魂を救い、一点のレモンのように純化されていったのかもしれません。光太郎の没後半世紀、「心の時代」と言われて久しい今日ですが、しかしながら「時代の心」は一層貧しくなっているかにも思えます。光太郎の「レモン」は私たちの魂を救ってくれるのでしょうか。
 第1曲は海辺の風光の中での夢幻的な魂の孤独。異界からの干鳥の声と智恵子の遠景。第2曲は峻険な山塊のように残酷に分断されていくニつの意識。魂の呻くような叫びの断章。そして第3曲、レモン哀歌。祈り。
 この作曲の機会を私に与えてくださり、熱意をもって初演にあたってくださる関西合唱団の皆様に厚く感謝を申し上げます。

西村朗先生 プロフィール
(プログラムより)
西村朗 Akira Nisimura
 大阪市に生まれる。東京芸術大学及び同大学院に学ぶ。
 日本音楽コンクール作曲部門第1位(1974)、エリザベート国際音楽コンクール作曲部門大賞(1977・ブリュッセル)、日本現代芸術振興賞(1994)、第36回(2004年度〕サントリー音楽賞、第47回毎日芸術賞(2005)等を、また尾高賞を1988年、92年、93年、2008年と受賞。現在、東京音楽大学教授の他、2000年より大阪いずみホールのレジデントオーケストラ、いずみシンフォニエッタ大阪の音楽監修を務めている。

編曲者によるメッセージ
(プログラムより)
徳山美奈子
 歌うだけで、聴くだけで元気が、そして勇気が湧いてくるのが芥川也寸志先生のこの曲「仲問達」。ワイワイと集う仲間の笑い声をバックに始まり、「本当のことを知りたい」と歌う所はひそやかに、「若者達のおそれずつき進む力で希望にみちた国をつくる」という歌詞の所から曲はどんどん躍進して終わります。関西合唱団がこの度初めて混声で歌ってくださるのが楽しみです。
石若雅弥
 今回、若輩者の私がメッセージ性の強い「五月のうた」を、また4名の作曲家の先生方と「うたごえ作品集」として編曲させていただくことは不遜な気がしましたが、作詞の森田ヤエ子氏、作曲の荒木栄氏の意図や、その時代の方々の熱意を想像しながら譜面を書きました。編曲に際し、主に和音を自分流にアレンジしました。それを、流れるような美しいメロディにのせて歌っていただき、多くの方々のお心に届けば幸いです。
青山義久
 合唱団のみなさんの心の中から湧き上がるものを思い切り表現していただければ十分だと思います。
金井信
 このアレンジでは、ありきたりでなく大会場の鑑賞にも耐えうるよう、各声部が均等に楽しめ、また様々な表情を体験できます。土の下で地味に耐える様子はアカペラ、そこここからメロディ。ハードルの高い工場の壁はテノールのオブリ。
また主旋律に恵まれない、虐げられがち(笑)なアルト、バスに充分に愛の手を。過保護で絢欄なバラより、素朴なたんぽぽに、より深く繊細に共感できる気持ちはやはりハ長調で。更に何にも屈しない気持ちは、ほんの一瞬ノリノリのロックにまで高まる…わかるかなあ?
小林康浩
 ただ単に「戦争は嫌」「平和はいい」と唱えていても、決してそうはならないのは歴史が証明している。それでもどうしても伝えるためには、心からの言葉が必要だけれど、この曲で題材になっている「子を思う母の気持ち」は、きっと全人類に共通する数少ない内容の一つだと思う。だから、その言葉を、虚像を抱え込みやすい「合唱」という編成に埋もれさせないように書きました。

プログラムノート
(プログラムより)
ロシア・ソヴィエトの歌 日本のうたごえ運動は、創立当初の時期、ロシア民謡やソヴィエト歌曲などをいち早く日本に紹介し、それらはわが国社会に広く普及された。「とべよ鳩よ」は、1957年モスクワで開催された世界青年学生祭典(平和友好祭)に派遣されたうたごえ代表団が持ち帰った曲で、平和への願いをその象徴たる鳩の飛翔に託した曲である。1950年前後には、うたごえ運動を始めとしてシベリヤ抑留帰還者の紹介により、力チューシャやともしびなどのロシア民謡が流行し、いまも歌い継がれている。「ロシア・メドレー」は、それらの中から人口に膾炙している曲を赤堀文雄の編曲構成によりまとめたものである。「ベリョース力(白樺)」「は、日露戦争時の軍楽隊長であったドレイズインの作曲による、ロシアでも愛好されている美しくダイナミックなワルツの名曲。
Bird Eyes鳥になった瞳」は、モーツァルトの「トルコ行進曲」の有名なメロディに日本語詞をつけた、スキャットを含んだ楽しい曲。「Time to Say Goodbye」は、原曲であるイタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリの「コン・テ・パルティロ(Con Te Partiro)」を1996年にサラ・ブライトマンが英訳詞にて力バーし大ヒットした作品。"新しい世界に旅立とう"という前向きなメッセージと、その感動的なメロディで人気を集めている。
混声合唱のための「よびかけ」より「U.戦死やあはれ」 23歳という若さでフィリピンのバギオで戦死した竹内浩三の詩に外山雄三が曲をつけたもの。戦死するものの無念さ、はかなさ、そして、戦後の復興もバブルも、戦争の愚かさを忘れ去ろうとしている今日の私たちをも見通しているかのような詩は、これが出征前に描かれたものかと驚くばかりである。「明るい未来のためのJポップメドレー」より 「世界にひとつだけの花」、「涙そうそう」、「明日があるさ」 誰でも知っていて、私たち自身も聴いていただく方も「明日からも元気に生きていこう!」と思えるような歌を、との思いで選曲したメドレーより3曲を演奏する。

5人の作曲家の編曲による「うたごえ作品集」

仲間達」(1953) 同年第1回日本のうたごえ祭典のために創作され終幕を飾った、当時うたごえ運動に協力していた専門家の一人芥川也寸志の作品で明るく躍動的な曲。
五月のうた」(1962) 荒木栄とともに九州のうたごえ運動をすすめてきた仲間が東京に仕事で移る際に贈られ歓送会で歌われた曲。
俺たちのシルクロード」(1981) 国鉄のJRへの分割民営化に先立つローカル線廃止反対の組曲として同年の国鉄のうたごえ祭典で歌われた構成組曲「俺たちのシルクロード」の中の1曲。
たんぽぽ」(1967) 大企業における不当な合理化や思想差別とたたかう労働者の結婚式に贈られた曲で、教科書にも掲載されるなど幅広く歌われている。
その手の中に」(2002) 同年目本のうたごえ祭典in福岡の青年のステージのために、アフガニスタン報復戦争に想いを馳せて作られた曲。

関西合唱団創立60周年記念合唱団
(プログラムより)
 「関西合唱団の60年間の歩みの中で活動の時期、歌う時期は違っても、数知れない多くの仲間が、専従者・団員・研究生・ともにうたう団員としてうたい「うたごえ」にかかわってきた。」(呼びかけ文より)として、昨年9月に発足し、毎月1回練習を重ね今回の定期演奏会が初舞台となる。「鉄路」は、第2次世界大戦が終わった1947年にドナエフスキーが作曲したものを関西合唱団が訳詞し、1966年日本に紹介した曲である。「いとし子よ」は、小さい子どもが「いのちの重さってどんな重さ」と母親に問うたときの受け答えを聞いて作った小森香子の詩に原田義雄が曲をつけた世界中の子どもへの深く強い愛を歌っている。演奏会の最後は、2007年に開催された日本のうたごえ祭典in奈良のテーマ曲として委嘱され歌われた曲のひとつ「ふるさとの風」を、関西合唱団と関西合唱団創立60周年記念合唱団の合同で演奏する。