定期演奏会の紹介

第74回定期演奏会の紹介

 ひとりじゃないんだ 人生にはみんな意味があるから
 あきらめないで自分を 今を生きていこうよ・・・

 ご来場ありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、演奏会を無事終了することができました。
 演奏会のご意見・ご感想などありましたら、どしどしメールでお寄せ下さい。
なお、当日の本番の様子リハーサルの様子はアルバムに順次アップしました。

演奏日時 2009年20日(月・祝)午後5時開演 開場は4時半  21日(火)午後7時開演 開場は6時半
演奏会場 いずみホール
指   揮 守屋博之/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/石田瑞枝/山下和子
伴   奏 藤岡靖博(ベース)/小林悟史(ドラムス)
出   演 関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/レガーテ/ヴォーカルアンサンブルAVANTI
スタッフ 甲斐美穂子(司会)/森昭夫(舞台監督)
チ ケ ッ ト S席 3,000円、A席 2,5000円(全席前売指定) 高校生以下、障がい者と介助者(1名)の方は全席500円引きです。

演 奏 曲  第1部 “人生の応援ソング”
時代                     (詞・曲:中島みゆき 編曲:金井信)
the flag                  (詞・曲:小田和正 編曲:小林康浩)
生きてりゃいいさ              (詞・曲:河島英五 編曲:三阪仁見)
世界に一つだけの花           (詞・曲:槇原敬之 編曲:金井信)
人間の歌                  (詞:曲:山ノ木竹志 編曲:吉田桂子)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)/藤岡靖博(ベース)/
                                                           小林悟史(ドラムス)】

ダニー・ボーイ                (詞:フレデリック・フェザリー 曲:アイルランド民謡 編曲:Bob Chilcott)
Waltzing Matilda             (詞:A.B.Paterson 曲:オーストラリア民謡 編曲:Bob Chilcott)

    【
ヴォーカルアンサンブルAVANTI/門万沙子(ピアノ)/藤岡靖博(ベース)/小林悟史(ドラムス)】

「A Little Jazz Mass」
                        (曲:Bob Chilcott)
 Kyrie
 Gloria
 Sanctus
 Benedictus
 Agnus Dei

    【関西合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/藤岡靖博(ベース)/小林悟史(ドラムス)】

さとうきび畑                  (詞・曲:寺島尚彦)
歌劇「ナブッコ」より 
 行け我が想いよ黄金の翼に乗って   (詞・曲:ベルディ)

    【関西合唱団60周年記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

生きる                     (詩:谷川俊太郎 曲:武義和)

    【関西合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/ 守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

       第2部 歩くうた                    (詩:谷川俊太郎 曲:林光)
君歌えよ                   (詩:谷川俊太郎 曲:信長貴富)
ねがい                     (詞:広島市立大洲中学校3年生有志 編詞:山ノ木竹志 曲:安広真理)

    【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)】

 
夕焼け                     (詞:高田敏子 曲:信長貴富)

混声合唱のための組曲
「忘れっぽい人に」
                         (詩:中桐雅夫 曲:外山雄三)
 白いハンカチ
 母子草
 想像力
 忘れっぽい人に

    【関西合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

 
“青年とともに”
手紙                      (詞・曲:アンジェラ・アキ 編曲:鷹羽弘晃)
ひとりひとりがHERO           (原詞:地域労組大阪 編詞・曲:Kei Suger 編曲:山下和子)
誓い                      (原詩:パク・ノヘ「対決」より 日本語詞:小林光 詞:山ノ木竹志 曲:安広真理 
                                                             伴奏編曲:三苫洋子)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)】

みんなのうた                 (詞・曲:原田義雄 編曲:青山義久)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/ 守屋博之(指揮)/
                                                       石田瑞枝・門万沙子(ピアノ)】

チラシ
(表)
大きな画像(693KB)
チラシ
(裏)
大きな画像(484KB)

ごあいさつ
(プログラムより)
 本日は、関西合唱団第74回定期演奏会にようこそお越しくださいました。団員一同を代表いたしましてお礼申し上げます。
 本日の演奏会では、いまこの時代に切り込む内容を多くの方と一緒に歌うことをめざし、かつ合唱団の音楽的な可能性を探求しつつ新たなジャンルにも挑む企画をいたしました。貧困化とあわせて雇用破壊など祉会の不安感が高まる中、手をとりあって生きていくことの大切さを、特に深刻な状況に置かれている青年とともに歌うことを目指してまいりました。うたごえ運動の未来にとって青年とともに歌うことは最も重要なテーマであると考えております。
 本日は、ともに歌う団員、関西合唱団60周年記念合唱団およびレガーテなど多くの出演者の方々とともに演奏会を開催いたします。私ども合唱団は、本日お越しくださいました皆様を始め多くの方々のご支援やご協力をいただき結成以来60年歩んでくることができました。今後ともどうぞよろしくお願い中し上げます。どうぞごゆっくりとお楽しみください。
【関西合唱団団長 山本則幸】

メッセージ
(プログラムより)
 第74回定期演奏会おめでとうございます。「普通に働いている人のこころを優しくし、元気にしてくれるうた、勇気と希望を与えてくれるうた」を大切にし活動されてこられた貴合唱団の定期演奏会にて、私達地域労組おおさかのうた「ひとりひとりがHERO」を演奏下さいますことを、先ず何よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
 昨年10周年の記念事業としてKei Sugerさんにお願いし、作って貰ったのがこの曲です。相談に来られる多くの方が、厳しい職場のなかで傷つき、自信を失われています。そんな仲間に、この曲は、そのままのあなたが大切な存在であり、あなた自身が人生のそして歴史の主人公なんだよと唄っています。特に3番のところでよく表現されいて、私のお気に入りでもあります。
 今回の演奏会をきっかけに、多くの方にこの曲を知ってもらい、気軽に唄ってもらえればと願っています。最後に、関西合唱団の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
【地域労組おおさか 書記長 平佳子】

 貴合唱団がこの間、次代を担う青年の未来を信じ、その音楽を信じ、共に寄り添いながら活動すすめてきただけに、今回の“青年とともに歌うステージ”への期待は大きく高まっていることと思います。一昨年の定演初演・混声合唱のための「いのちをつなぐ人たちのうた」が府下、全国でも歌われていますが、「ひとりひとりがHERO」が多くの人に口ずさまれる歌として演奏が成功することを願っています。
 コンサートが60年の創造の蓄積と新しい力で、多彩なジャンルの歌で聴衆を楽しませるととともに、地域や職場にうずまく、平和を、よりよい暮らしをと願う人々を勇気づけ、励ますコンサートとして成功することを期待しています。
【日本のうたごえ全国協議会会長 高橋正志】

プログラムノート
(プログラムより)
“人生の応援ソング”
 近年わが国社会の中では、生きづらさが増していると言われ、職場でのストレスが増え、自殺者も11年連続で3万人以上にもなるという異常に閉塞感の強い状況になっている。そこで、生きることを大切にしよう、独りで悩まずに手をとりあって生きていこう、という思いを込めてポピュラーな曲を選んだ。
時代(1975)は、ヤマ八音楽振興会主催『ポピュラーソングコンテスト」本選会、「第6回世界歌謡祭」にてグランプリを受賞した中島みゆきの2曲目の作品であり代表作。人生のめぐる様を歌ったスタンダードナンバーとなっている。小田和正のthe flag(2000)は、オリジナルアルバム「個人主義」に収録された楽曲で、自身と同じ団塊の世代に向けた工一ルとして作られた。軽快なリズムの中にほろ苦い悔いと凛とした自負とが込められている。SMAPの大ヒット曲である世界に一つだけの花(2003)は、テレビドラマ「僕の生きる道」の主題歌となり、その後シングルカットされたもので、イラク戦争開戦前のテレビ番組「NEWS23」でキャスターが反戦歌という論評を加えたことで反戦運動の中でも広く歌われた。続いて男声合唱で演奏されるのは生きてりゃいいさ(1974)。河島英五が加藤登紀子のために書き下ろした楽曲で、後に河島もシングルを発売した。阪神・淡路大震災で全てを失い、還暦目前にプロゴルファーのテストに合格し、活躍した古市忠夫の半生を綴った2006年11月公開の映画「ありがとう」のエンディングテーマとしても使われた。最後の曲、人間の歌(1988)は、作者が入院中難病患者と出会う中で、前年国鉄分割民営化により百人を超える国鉄職員が自殺に追い込まれた仲間を想ってつくられ、うたごえ運動の中で熱く歌い続けられている。

Waltzing Matilda 放浪者が羊泥棒を働いて、追いつめられて自殺するというストーリーの曲である。ワルツィングは当てもなくさまよい歩くという意味で、マチルダというのは放浪者が持ち歩くズダ袋のこと。オーストラリア国歌と並ぶほど国民に大変愛されている曲。
ダニーボーイ(1913) アイルランドの民謡であり、「ロンドンデリーの歌」として知られる旋律にウェザリーが歌詞をつけ、1913年に「ダニー・ボーイ」として発表され、以後世界中で歌われている。出征する息子を想う親の想いが、哀切ただようメロディとあわせて胸にせまる。

A Little Jazz Mass(2007) イギリスの作曲家で合唱指揮者ボブ・チルコットの合唱作品。ケンブリッジ・キングズ・力レッジ聖歌隊、キングズ・シンガーズのメンバーとして活躍し、1997年に作曲家へと転身を遂げたチルコットがアメリ力のニューオーリンズで行われた「クレセント・シティ・コーラス・フェスティバル2007」のために作曲したもので、日本の合唱界で大ブームを巻き起こしている。ミサ曲の通常文にジャズ・テイストを加えた斬新な作風、合唱とピアノ・トリオという大胆な編成で演奏される。キリエ(主よ憐れみたまえ)、グローリア(栄光)、サンクトゥス(聖なるかな)、ベネディクトゥス(祝福があるように)および平和を祈る賛歌であるアニュス・デイ(神の子羊)の5曲からなる。

さとうきび畑(1967) 第二次世界大戦末期の沖縄戦で戦死した人々が眠る、さとうきび畑に流れる風の音が繰り返される。作曲者は、1964年に初めて沖縄を訪れた衝撃を表現するため、作品中「66回」繰り返される風の音を考えたという。全部で11番からなるが、今回は1、2、3,10,11番を歌う。
歌劇ナブッコより行け、我が想いよ、金色の翼に乗って(1842) ヴェルディ作のオペラ「ナブッコ」第3幕、ユーフラテス川の岸辺の場面で、祖国を失い鎖につながれた民が望郷の念と神への祈りを歌う。オーストリア帝国の圧政下にあったイタリア北部の人々の思いに一致し、統一運動のシンボルともなり、「第二の国歌」と言われるほどにイタリアの人々に愛唱されている。
生きる 谷川俊太郎の詩「生きる」は、小学校の教科書にも載って広く知られるようになり、多くの人の心をとらえている。三善晃・外山雄三・新実徳英・小室等などが、この詩に作曲しているが今回うたうのは武義和の作曲によるものである。武は自由の森学園の音楽教師だったころ、自分の教える生徒たちの夢や、生き方と重ね合わせ、この曲を作ったという。躍動的なリズムにのる若々しい音楽は、この詩にまた新しい生命を吹きこんだ。京都での今年の日本のうたごえ祭典では、全国合同曲として1000人でうたわれる。

歩くうた(1980) アムネスティ`インターナショナル(1961年イギリスで創設された国際的人権団体で、「世界人権宣言」などに定められた人権を享受できる世界の実現をめざした活動をしている)日本支部のイベントのために新たにつくられた曲。
きみ歌えよ(2000) 合唱曲集《混声(男声)合唱とピアノのための「新しい歌」》所収の曲を女声合唱編曲したもの。親しみやすいテキストを魅力溢れるメロディでおおらかに歌い、作曲者は「子どもたちにも歌ってほしい」と述べている。
ねがい(2002) 2001年広島市立大州中学校の3年生が9.11同時テロの衝撃と悲しみから自分たちの平和宣言としてまとめ、広島合唱団のたかだりゅうじが作曲したものが世界中に広がり、45か国で1,679番(7/1現在)まで作詞されている。今回歌うのは、この詞を初めて読んだ安広真理が「中学生のくもりのない、まっすぐな眼にハッとさせられ、こんなふうにまっすぐに私達の“ねがい”を歌えたら」と思い、曲をつけたものである。

夕焼け(2007)は、台所詩人と呼ばれる高田敏子の詩集『夢の手』(1985年)所収の詩に曲をつけた女声合唱曲集『空の名前』の終曲の混声合唱版として、合唱団京都エコーによって初演された。夕焼け空のようにゆったりと広がる歌声に、ピアノから聞こえてくる懐かしい旋律が郷愁を生み、暖かい風景を与えてくれると共に、戦火を体験した詩人の平和への祈りをも心に刻みつける。
「忘れっぽい人に」(1993〜1994)ば、中桐雅夫の詩に外山雄三が曲をつけた4曲からなる作品で、当団が1995年委嘱全曲初演。反戦の思いをたたきつけるように鋭く問いかけてくる詩に、抑制され、時には激しく迫る旋律がつけられている。作曲者は、「中桐作品のかなしみにも似た憤りの重さは、ほとんど私を打ちのめした。」(第60回定期音楽会プログラムより)と述べている。

“青年とともに”
 雇用流動化政策に基づく非正規雇用の増加や社会保障の切り捨てにより貧困と格差が拡大し、昨年来の経済危機を理由とした「派遣切り」などの雇用破壊がすすみ、特に、自己責任が押しつけられている働く青年層の状態悪化が深刻になる中で、労働組合などで仲間と出会い、「私たちは使い捨ての“もの”ではない」「私が悪いんじゃない」「ひとりじゃないんだ」と声を上げた青年の思いを、もっと多くの青年に知ってほしい、そして多くのはたらく人たちに届けたいと思い企画した。
手紙(2008)は、アンジェラ・アキがNHK全国学校音楽コンクール中学生の部の課題曲として作曲したもので、15歳の時に自分宛に書いた手紙が、30歳の誕生日に母親から届いたエピソードに基づいて作られたという。「世代を超えて『つながる』ことを表現したかった」と作曲の意図を述べている。
ひとりひとりがHERO(2008)は、一人でも入れるローカル組合「地域労組おおさか」の結成10周年に際し、テーマソングとして作られた曲。解雇されるのは自分が悪いんだと自己責任論に巻き込まれる社会の中で、信頼できる仲間と出会い、その励ましの中で自分の価値を見直していく、そんな成長の姿を歌っている。
誓い(2008)は、韓国の労働詩人パク・ノヘの詩『対決』を1998年に小林光が日本語詩にしたものをもとに、山ノ木竹志が作詞、安広頁理が作曲した。パク・ノヘは、1984年27歳で発表した初めての詩集が国中の関心を呼ぶが、国家保安法違反で無期懲役となり、1998年恩赦で解放された。無権利状態の職場の中で、人間の誇りを守るためにやむにやまれず立ち上がるはたらく者の決意を歌いあげている。