定期演奏会の紹介

第75回定期演奏会の紹介

 核兵器のない世界をめざして・・・

 ご来場ありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、演奏会を無事終了することができました。
 演奏会のご意見・ご感想などありましたら、どしどしメールでお寄せ下さい。
なお、当日の本番の様子1日目のリハーサルの様子2日目のリハーサル・打ち上げの様子をアルバムにアップしました。

演奏日時 2010年12日(土)午後6時半開演 開場は6時  13日(日)午後2時開演 開場は1時半
演奏会場 いずみホール
指   揮 守屋博之/山本恵造
ピ ア ノ 門万沙子/石田瑞枝/山下和子
伴   奏 本庄ちひろ(フルート)
出   演 関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/レガーテ/ヴォーカルアンサンブルAVANTI
スタッフ 甲斐美穂子(司会)/森昭夫(舞台監督)
チ ケ ッ ト A席 3,000円、B席 2,5000円(全席前売指定) 高校生以下、障がい者と介助者(1名)の方は全席500円引きです。

演 奏 曲  第1部 “世界のうた”

みんな一緒に              (訳詞:加藤登紀子 編曲:小林康浩)
赤とんぼ〜アリラン          (詩:三木露風 曲:山田耕筰 朝鮮民謡:伊漢信 編曲:吉田桂子)
鶴                     (詞:R.ガザトフ 曲:Ya.フレンケリ 編曲:I.リツヴェンコ 訳詞:坂山やす子)
おてもやん                (熊本県民謡 編曲:金井信)
明日に架ける橋             (詞・曲:P.サイモン 編曲:金井信 訳詞:Yu)

    【関西合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)/本庄ちひろ(フルート)】

The Lily And The Rose    (曲:B.チルコット)
クラリネットをこわしちゃった     (フランス民謡 詞:石井好子 編曲:福井利雄)

    【
ヴォーカルアンサンブルAVANTI/門万沙子(ピアノ)】

ひとつのピース             (詞:瀬原徹郎 曲:安広真理)
夜明けの歌               (詞:岩谷時子 曲:いずみたく 編曲:守屋博之)

    【関西合唱団60周年記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】
“林学と山ノ木竹志作品をうたう”

うた〜春を夢見た労働者に捧げる歌   (詞・曲:山ノ木竹志 中島泉編曲に基づく関西合唱団ヴァージョン)
芦別の雪の中を               (詩:門倉さとし 曲:林学 編曲:林光)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/
     守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】


       第2部 “武満徹をうたう”

小さな空                    (詞・曲:武満徹)
MI・YO・TA                  (詞:谷川俊太郎 曲:武満徹 編曲:沼尻竜典)
死んだ男の残したものは          (詞:谷川俊太郎 曲:武満徹 編曲:林光)

    【関西合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)】

 
いのちの歌(ドラマ「だんだん」より)    (詞:Miyabi 曲:松村崇継 編曲:前嶋康明 合唱編曲:山下和子)
人間の歌                    (詞・曲:山ノ木竹志)

    【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)】

 
混声合唱のための組曲「永遠のみどり」
                         (曲:外山雄三)
 ひとつの夏                 (詩:下畠準三)
 はがゆい                  (詩:正田篠枝)
 終末                     (詩:栗原貞子)
 失ったものに                (詩:山田数子)
 燈籠ながし                 (詩:小園愛子)
 ヒロシマというとき             (詩:栗原貞子)
 永遠のみどり                (詩:原民喜)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/藤田一子(アルトソロ)】

 
“青年とともに”

Heal the World             (詩・曲:マイケル・ジャクソン 編曲:Andy Beck 訳詞:野坂けいこ)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】

みんなのうた                 (詩・曲:原田義雄 編曲:青山義久)

    【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/ 守屋博之(指揮)/
                                                       石田瑞枝・門万沙子(ピアノ)】

チラシ
(表)
大きな画像(446KB)
チラシ
(裏)
大きな画像(484KB)

「永遠のみどり」
(チラシ裏より)
 1981年関西合唱団の委嘱により外山雄三さんが「日本原爆詩集」から選んだ四編と、栗原貞子さんの詩集「ヒロシマというとき」からの二編に作曲し、同年の「第41回定期 5月の音楽会」において作曲者のピアノにより初演されました。同年8月広島で開催された原爆犠牲者に捧げる音楽の夕べや多くの平和コンサート、日本のうたごえ祭典など全国で演奏され、また1982年第2回国連軍縮特別総会の際にはニューヨークでも演奏されました。選び抜かれた密度の濃く鋭い詩と言葉を聞き手にまっすぐに届ける音楽の質、被害者の視点だけでなく加害者の視点を問いかける内容は、その後のうたごえ運動の音楽のあり方に大きな影響をあたえました。
 核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる今年、核兵器のない世界を求める声が世界中で広がるように、核廃絶の願いを込めて歌いたいと思います。

武満徹をうたう
(チラシ裏より)
 現代音楽の分野において世界的にその名を知られ、日本を代表する作曲家である武満徹は、管弦楽曲から映画音楽まで幅広い曲を数多く作りました。その中で様々な機会に作られた珠玉の「うた」が混声合唱曲となっています。ノスタルジックな子どもの時の思い出を歌う「小さな空」、黛敏郎が武満の葬儀の際に口ずさんだ埋もれたメロディに谷川俊太郎が詞をつけた「MI・YO・TA」、そして林光のピアノ伴奏付編曲による「死んだ男の残したものは」。武満の世界をお楽しみください。

ごあいさつ
(プログラムより)
 本日は、関西合唱団第75回定期演奏会にようこそお越しくださいました。団員を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。
 本日の演奏会では、当団が1981年に委嘱、初演いたしました混声合唱のための「永遠のみどり」を再演いたします。5月のNPT再検討会議には、当団からも代表がニューヨーク行動に参加しましたが、世界中で「核兵器のない世界」を求めるうねりの中で、いまこの曲を歌うことの意味は大きいと考えております。また、今年生誕80年となる武満徹の作品にも挑戦いたします。私たちは、様々な方々と一緒に歌う場を広げるなかで、音楽のもつ力を実感してまいりました。さらに研鑽を積みながら私たちならではの音楽づくりを求めていく所存でございます。
本日は、ともに歌う団員、レガーテおよび関西合唱団60周年記念合唱団など多くの出演者の方々とともに演奏会を開催いたします。私ども合唱団は、本日お越しくださいました皆様を始め多くの方々のご支援やご協力をいただき、結成以来60有余年歩んでくることができました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 どうぞごゆっくりとお楽しみください。
【関西合唱団 団長 山本則幸】

メッセージ
(プログラムより)
 第75回定期演奏会のご盛会誠におめでとうございます。
 ご承知のとおり去年4月5日、オバマ米大統領がチェコのプラハで「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」とのべ、「核兵器のない世界」−核兵器廃絶を国家目標とすることを初めて明示しました。
 そして2010年5月3日から28日までニューヨークの国連本部で開かれたNPT(核不拡散条約)再検討会議の成功をめざして、大阪をはじめ全国のうたごえサークルから100人を超える仲間の皆さんがニューヨーク国際行動に参加されたことに敬意を表します。
 様々な課題が目白押しですが「うたごえは平和の力」をモットーに演奏会が大きく成功を収められますことを祈念いたしましてお祝いのメッセージとさせていただきます。
【原水爆禁止大阪府協議会 理事長 篠浦一朗】

プログラムノート
(プログラムより)
“世界のうた”
 みんな一緒に(1972) クリスティーナとウーゴらにより日本に紹介され、ボリビア民謡として加藤登紀子が日本語詞をつけ、「みんな一緒に」のタイトルで 1972年に発表され広がった曲。その後、チリのロックバンドLos jaivas(ロス・ハイバス)が作った「Todos Juntos(トドス フントス)」という名の曲であったことが判明した。1973年ピノチェトによる軍事クーデターにより、メンバーは90年代になるまで亡命を余儀なくされ、この曲もチリでは発行・演奏を禁止されたため、“作者不詳”となったものと言われる。南アメリカの多くの若者のテーマソングになっている。
 赤とんぼ〜アリラン 日本の有名な童謡「赤とんぼ」と朝鮮を代表する民謡「アリラン」を吉田圭子が織り交ぜ編曲したもの。「赤とんぼ」は三木 露風が童謡集に発表した歌詞に、山田 耕筰が1927年に曲をつけたもの。詞の内容は、露風の幼少時代の風景(兵庫県たつの市)によるものとされる。「アリラン」の発祥には多くの説があるが、一番の歌詞は、民族感情のひとつであるハン(恨)の感情を表すとも言われている。韓国併合100年にあたり、心の架け橋となるよう歌いたい。
 鶴(1969) ロシア共和国連邦のコーカサス地方山岳地帯にあるダゲスタン自治共和国の詩人ガムザトフが、広島の原水爆禁止世界大会(1965年)に参加した時の感動をもとに詞をつくり、フレンケリが作曲して世界的に広がった。戦場で散った戦友は鶴に姿を変えて群れをなして大空を飛んでいるのだと歌われる。
 おてもやん 熊本県民謡。元は熊本甚句(花柳界のお座敷唄)で、1935年頃、赤坂小梅が歌ったレコード化によって、日本全国に知られるようになった。嫁入りの感想を聞かれた「おてもやん」が、土地のことばでユーモラスな返答をする内容になっている。明るく速いテンポの曲を金井信がジャズ風の合唱アレンジをした。
 明日に架ける橋(1970) サイモン&ガーファンクルが1970年に発表した大ヒット曲。ポール・サイモンが、ゴスペルソングに影響を受けて作ったものでタイトルのBridge over Troubled Waterもこの中からとられた。アパルトヘイト(人種隔離)政策をとっていた南アフリカにおいて、黒人解放運動の中で、希望と勇気を与える歌として広がり、今も「賛美歌」として歌われている。

 The Lily And The Rose 日本語のタイトルは「百合とバラの花を」。聖母マリアが息子キリストの死を悼んでいる内容の詩に、日本の合唱界でも人気のボブ・チルコットが曲をつけたもの。
 クラリネットをこわしちゃった  フランス民謡。1963年にNHK『みんなのうた』で発表されて以来広く愛唱されている。何回も繰り返される「オー、パッキャマラド」とは “(リズムを)合わせて”との意味。

 ひとつのピース(2005) 日本のうたごえ全国協議会「被爆60年・いのち輝け憲法九条『平和のうた』」公募入選詩の中から同名の詩(瀬原徹郎詩)に当団定期演奏会のために作曲したもの。
 夜明けの歌(1964) テレビドラマの挿入歌として作られたものを、後に岸洋子が歌い大ヒットした。

“林 学、山ノ木竹志をうたう”
 昨年、相次いで亡くなった林学と山ノ木竹志の曲を歌うステージ。林学は、「みんなが笑う日まで」「大須っ子」「ふくろうの歌」「おくりもの」、合唱組曲「母さんの樹」など、40年以上の間、うたごえ運動の中でシンプルだが親しみやすく心に染み入る曲を多数作った。山ノ木竹志は、広島のうたごえ活動家で、「アメイジング・グレイス」などの日本語詞、「ねがい」の編詞、「人間の歌」の作詞作曲など多数の創作に活躍中であった。
 うた〜春を夢見た労働者に捧げる歌  2001年5月に行われた北海道合唱団とうたごえの演奏旅行に参加した作者がヴォルガ河畔の風景や街々で歌いかわした人々との出会いの印象から生まれた曲。曲中には、ロシア農民の抵抗の歌「ドゥビヌーシカ(仕事の歌)」が挿入されている。
 芦別の雪の中を(1976)  1952年7月29日国鉄根室本線の芦別駅と平岸駅間の線路がダイナマイトで爆破された芦別事件において2名が犯人に仕立てられが、無実を訴え裁判闘争の末2審の高裁で完全無罪を勝ち取り、違法捜査に対し、国家賠償請求訴訟が起こされた。この間に亡くなった被告の一人井尻照夫の妻井尻光子はその遺志を受け継ぎ裁判闘争の支援を訴えて20余年活動した。このたたかいによせて作られた曲である。同じく昨年亡くなった門倉 訣の詩による。

“武満 徹をうたう”
 今年生誕80年となる武満徹は、現代音楽の分野において世界的にその名を知られ、日本を代表する作曲家である。数多くの管弦楽曲などの中で声楽曲の占める割合は多くはないが、これらがポピュラーソングのスタイルで書かれていることにつき、「『翼』といううたにも書いたように、私にとってこうした営為は、「自由」への査証(ビザ)を得るためのもので、精神を固く閉ざされたものにせず、いつも柔軟で開かれたものにしておきたいという希いに他ならない。」と記している。(『SERI TORU TAKEMITSU POP SONGS』後記より)1950年から60年代に作られたこれらの曲は、東京混声合唱団のために「さくら」を合唱編曲したことを契機に1980年代になって次々に編曲された。
 小さな空(1962 合唱編曲は1981) 子ども向け連続ラジオドラマ『ガンキング』の主題歌。ノスタルジックな子どもの時の思い出を歌っている。        
 MI・YO・TA(1996)  武満徹の葬儀の際、黛敏郎が弔辞の中で、武満が黛のアシスタント時代に映画のBGMとして書いて使われずにいた旋律を口ずさみ、それに友人だった谷川俊太郎が詞をつけたもの。武満が別荘を構えて仕事をし、愛していた長野県御代田の風景と武満の思い出が、この上なく美しくも哀しい旋律で歌われる。
 死んだ男の残したものは(1965) ベトナム戦争最中の1965年4月22日開催の「ベトナムの平和を願う市民の集会」に間に合わせるために谷川俊太郎が武満徹にこの詩を持ってきて作曲を頼み、その日の夜にできた曲。戦争の空しさと悲しみを静かに歌った名曲を林光編曲で演奏する。

 いのちの歌(2008) NHK連続テレビ小説『だんだん』挿入歌。『だんだん』というのは出雲弁で「ありがとう」の意。このテレビ小説のテーマ「産んでくれてありがとう」「育ててくれてありがとう」「あなたに出会えてありがとう」を表現した曲で、主演の三倉茉奈・佳奈が歌っている。
 人間の歌(1988) 1984年国鉄分割民営化の中で、多くの国鉄労働者が涙ながらに職場を去り、自ら命を絶った仲間も沢山いた。作者が入院していた時、見舞ってくれた国鉄労働者から聞いた民営化で苦しみ闘う仲間たちの話に、自分の病をダブらせてこの曲を創作した。今回はレガーテに「明日に架ける橋」の日本語詞を創って下さった作者への追悼の思いを込めて歌いたい。

混声合唱のための組曲「永遠のみどり」(1970〜1981) 
 1981年関西合唱団の委嘱により、外山雄三が「日本原爆詩集」から選んだ四編と、栗原貞子の詩集「ヒロシマというとき」からの二編に作曲し、同年の「第41回定期 5月の音楽会」において作曲者のピアノ伴奏により初演された。同年8月広島で開催された原爆犠牲者に捧げる音楽の夕べや多くの平和コンサート、日本のうたごえ祭典など全国で数多く演奏され、また1982年第2回国連軍縮特別総会の際にはニューヨークでも演奏された。選び抜かれた密度の濃く鋭い詩と言葉を聞き手にまっすぐに届ける音楽の質、被害者の視点だけでなく加害者の視点を問いかける内容は、その後のうたごえ運動の音楽のあり方に大きな影響をあたえた。
 核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる今年、日本のうたごえNPTニューヨーク行動代表団も演奏したが、核兵器のない世界を求める声が世界中で広がるように、核廃絶の願いを込めて歌いたい。

“青年とともに”
 Heal the World(1991) マイケル・ジャクソンが1991年に発表した曲。“世界を治そう より良い場所にしよう 僕と君と そしてすべての人類のために”とバラード風に歌われるこの曲は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件直後にもよく流された。発表後、マイケルはHeal the World基金を設立し、貧困に苦しむ世界中の子どもの救済をしている。