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第76回定期演奏会の紹介 | ||
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復興への祈りを込めて いま歌う | ||
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ご来場ありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、演奏会を無事終了することができました。今回、初日の座席引替に当たりまして合唱団の準備不足でご迷惑をおかけしました。 演奏会のご意見・ご感想などありましたら、どしどしメールでお寄せ下さい。 なお、当日の本番の様子や1日目のリハーサルの様子や2日目のリハーサル・打ち上げの様子はアルバムに今後アップする予定です。 |
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演奏日時 | 2011年6月4日(土)午後6時半開演 開場は6時 6月5日(日)午後1時半開演 開場は1時 | |
演奏会場 | いずみホール | |
指 揮 | 守屋博之/山本恵造 | |
ピ ア ノ | 門万沙子/石田瑞枝/山下和子 | |
伴 奏 | 猪越あかね(アコーディオン) | |
出 演 | 関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/レガーテ/ヴォーカルアンサンブルAVANTI | |
スタッフ | 甲斐美穂子(司会)/森昭夫(舞台監督) | |
チ ケ ッ ト | S席 3,500円(前売座席指定)、A席 2,900円(1階席 当日座席指定)、B席 2,5000円(2階席 当日座席指定) 当日座席指定引替は、4日は午後5時より、5日は午後12時より行います。高校生以下、障がい者と介助者(1名)の方は全席500円引きです。 |
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演 奏 曲 第1部 | 見わたしてごらん (五十嵐ゆり 詞・曲 入江幸子 編曲) 花 (御徒町 凧 詩 森山直太朗 曲 榎本 潤 編曲) 栄光の架橋 (北川悠仁 詞・曲 小林康浩 編曲) 瑠璃色の地球 (松本 隆 詞 平井夏美 曲 源田俊一郎 編曲) 【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)】 |
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トマトとメロン (相田みつを 詩 高平つぐゆき 曲・編曲) 愛は時を越えて (芹沢 類 詞 織田哲郎 曲) 【ヴォーカルアンサンブルAVANTI/門万沙子(ピアノ)】 |
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ポーランド民謡メドレー ワルシャワのポロネーズ/お客様がやってくる/ククエチカ(かっこう)/小鳥の歌/シュワジベチカ(森へ行きましょう) ツィガンの馬車は行く (工藤 幸雄 訳詞) ウィーンわが夢のまち (Rudolf Sieczynski 曲 あらかはひろし 訳詞 青山義久 編曲) 【関西合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/猪越あかね(アコーディオン)】 |
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花の街 (江間章子 詞 團伊玖磨 曲 増田順平 編曲) 夜明けの歌 (門倉さとし 詞 寺原伸夫 曲) 【関西合唱団60周年記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】 |
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母なるヴォルガを下りて (ロシア民謡 合唱団白樺 訳詞 スヴェシェニコフ 編曲) 組曲「おーい春」より7.おーい春 (佐伯 洋 詞 中村茂隆 曲) 【関西合唱団/関西合唱団60周年記念合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】 |
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第2部 | 生きる (谷川俊太郎 詩 武 義和 曲) 女声合唱とピアノのための組曲「千鳥ヶ淵で」より T.木の実 (茨木のり子 詞 外山雄三 曲) 素敵に人生を謳歌するWorld Popメドレーより Happy X’mas (John Lennon 曲 金井 信 訳詞・編曲) 【レガーテ/山本恵造(指揮)/山下和子(ピアノ)】 |
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混声合唱とオーケストラのための交響曲「炎の歌」より T.鐘 (土井大介 詞 外山雄三 曲) V.石 【関西合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)】 JURI (佐村河内守 曲) 【門 万沙子(ピアノ)】 REQUIEM “HIROSHIMA” (佐村河内守 曲) 【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/守屋博之(指揮)/門万沙子(ピアノ)/藤田一子(アルトソロ)】 |
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4人の作曲家による合唱組曲「絆」 1.指先の宇宙 (福島 智 詞 藤村記一郎 曲) 2.ひいばァの汽車ぽっぽ (田畑つる子 詞 たかだりゅうじ 曲 松本憲治 編曲) 3.お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい (山田康文 詞 安広真理 曲) 4.夢を語るとき (石黒真知子 詞 原田義雄 曲) 【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/山本恵造(指揮)/石田瑞枝(ピアノ)】 ふるさと みんなのうた (詩・曲:原田義雄 編曲:青山義久) 【関西合唱団/関西合唱団とともに歌う合唱団/青年とともに歌う合唱団/ 守屋博之(指揮)/ 石田瑞枝・門万沙子(ピアノ)】 |
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チラシ (表) |
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チラシ (裏) |
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4人の作曲家による合唱組曲「絆」 (チラシ裏より) |
社会のかたちがおかしくなっていると感じる人が増えています。昨年は所在不明の高齢者が全国で見つかり、大阪では2人の子どもが餓死しました。急速に「無縁社会」ともいえる絆を失った社会に変わっているのではないでしょうか。家族の絆、地域の絆、働くものの絆、世代や国境を超えた絆…いま、人と人との絆によるささえ合いが求められています。 そこで、うたごえ運動の中で活躍している、たかだりゅうじ、原田義雄、藤村記一郎、安広真理の4氏に“絆”をテーマに1曲ずつ作曲をしていただき、一つの合唱組曲として構成しました。テキストはそれぞれ、ひいばァの汽車ぽっぽ(田畑つる子)、夢を語るとき(石黒真知子)、指先の宇宙(福島 智)、お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい(山田康文)です。 |
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REOUIEM ”HIROSHIMA” JURI (チラシ裏より) |
REOUIEM HIROSHIMA JURI (佐村河内守曲 本邦初演) 佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏の唯−の声楽曲REOUIEMrHIROSHIMA」、そしてピアノ曲の「JURI」を演奏します。この2曲は本邦初演です。佐村河内さんは、広島生まれの被爆二世の音楽家で、35歳で聴力を全て失い、さらに轟音が頭の中に鳴り響<頭鳴症に苦しみつつ作曲を続けています。特に頭鳴症による耳鳴りについて、「父と母が、そして歴史が聞いた『原爆の音』。それを私の血がいま、聞いているのかもしれません」と述べています。(『交響曲第一番』講談社2007年)苦悩と絶望の闇の中から紡ぎだされた光が音楽となっています。 |
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ごあいさつ (プログラムより) |
本日は、関西合唱団第76回定期演奏会にようこそお越しくださいました。団員を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。 本演奏会に取り組んでいる中に、東日本大震災と福島第一原発事故が起こりました。私たちは、歌うことの意味を問い直すことが求められました。今回の演奏会のコンセプトを「復興への祈りを込めて いま歌う」とし、被災者の方々への思いを重ね合わせ、それぞれの音楽のこころをしっかり歌い、皆さまの心に届けることができればと練習を重ねてまいりました。 本日の初演曲は、うたごえ運動で活躍する4人の作曲家に委嘱した合唱組曲「絆」、そして佐村河内守先生のご厚意で初演させていただいた「JURI」および「REQUIEM “HIROSHIMA”」 の3作品があります。私たちのうたごえで生命を吹き込み、世の中に送り出す責任と喜びを感じております。 再来年には大阪で3度目の日本のうたごえ祭典が開催されます。様々な方々と一緒に歌う場を広げ、さらに研鑽を積みながら私たちならではの音楽づくりを求めていく所存でございます。 本日は、ともに歌う団員、レガーテおよび関西合唱団60周年記念合唱団など多くの出演者の方々とともに演奏いたします。また、快く出演いただいた大阪朝鮮高級学校、泉州看護専門学校の生徒の皆さんに感謝申し上げます。私ども合唱団は、お越しくださいました皆様を始め多くの方々のご支援やご協力があってこそ本日の演奏会を迎えることができました。今後ともよろしくお願い申し上げます。 どうぞごゆっくりとお楽しみください。 【関西合唱団 団長 山本則幸】 |
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メッセージ (プログラムより) |
【百の悲しみ、二千万の祈り】 人の命の尊さを思う時、そこにあるのは一つの悲しみだけではないと感じます。たった一人の命を失うことで一体何人の悲しみが生まれるでしょう。故人には両親や祖母祖父がおり、兄弟姉妹がいて、たくさんの親族がいる。複数の子や孫がいるかも知れず、小数の親友がおり、多数の友人がいて、大勢の知人がいます。一人の死は少なくとも百人の悲しみを生み、そこには百の祈りが存在するのだと思います。 1945年8月6日、ヒロシマに一発の原子爆弾が投下され20万人という尊い命が奪われました。そのことで2千万人の悲しみが生まれ、2千万人の祈りが捧げられたのです。私の両親は奇跡的に助かり、その18年後私は被爆二世として生まれました。 かのアインシュタインは言いました「第三次世界大戦のことはわからないが、第四次世界大戦のことならよくわかる、人間は石と棒で戦うほかないだろう」と…。これは核戦争の恐ろしさを伝える言葉です。何と言う恐ろしい言葉でしょう。私はある特定した国を怨むことはありません。その時の人間の愚かさを怨みます。原爆は“絶対悪”なのです。 このREQUIEM“HIROSHIMA”は母音の〔ア〕のみで歌われます。原爆の血を引く世界で唯一人のクラシック作曲家として鎮魂合唱曲を書くにあたり、絶対悪の犠牲となった20万人の尊い魂を鎮めるための歌詞とは?…その祈りが死没者の方々に伝わるには如何なる言葉が必要なのだろう、相応しいだろうか?と、もがき苦しんで出した答えがこの〔ア〕でした。則ち歌詞のないただの〔声〕ということです。20万人もの死者への祈りは言葉(歌詞)などでは伝え切れない、あまりに大きなものであることに気付いたのです。 この度の東日本大震災で大切な命を落とされた方々に慎んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 今この時にREQUIEM“HIROSHIMA”が歌われることに深い意味を感じます。この曲に愛を感じて下さった指揮の守屋博之様、そして関西合唱団の皆様に心より感謝申し上げます。 『ここにお集まり下さった皆様。全ての戦争の犠牲者、そして東日本大震災の犠牲となられた方々に、このREQUIEM“HIROSHIMA”と共に黙祷し、深い祈りを捧げて下さいますようどうかお願い申し上げます』 【2011,6/4 佐村河内 守】 |
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プログラムノート (プログラムより) |
見わたしてごらん(1977) 1970年代京都のフォークソング運動で活動していた作者が、働き始めて社会の厳しさを感じる中で、仲間の励ましや歌声で「一人じゃない」と思えたことを大切にしたいと、仕事の帰り道に生まれた曲。 花(2007) 奄美大島出身の歌手、中孝介のヒット曲。「花のように、花のように、ただそこに咲くだけで美しくあれ…」と歌い、人間も自然の一部であり、足元に懸命に咲く花のように自然に身を委ねながら生きていくことの大切さが優しく、熱く歌われる。 栄光の架橋(2004) ゆずのヒット曲で、アテネオリンピックNHK放送の公式テーマソングとなり、金メダルを獲得した体操男子団体の実況中継でも有名になった。多くの支えの中で歩んできた平坦でない道のりが感動的に歌われる。 瑠璃色の地球(1986) 松田聖子のアルバム収録曲で、多数の合唱曲に編曲され愛唱されている。海岸での恋人の姿から地球や銀河にまで優しく膨らんでいくロマンチックな展開の中に平和への想いを包み込んだ曲。 トマトとメロン(1991) 岡山合唱団委嘱作「混声合唱のための三つの連歌」の第1曲。トマトとメロンという比喩を用いて人間の個性を伸ばす素晴らしさをうたった相田みつをの原詩が、弦楽器のピチカートのような音と相まって明るく響く。 愛は時を越えて(1992) 大橋純子のヒット曲で、テレビ番組「外科医・有森冴子2」の主題歌となった。 ポーランド民謡メドレー(ワルシャワのポロネーズ、トイホラ、かっこう、行ってしまった小鳥、シュワジベチカ) ポーランドにはマズルカやポロネーズなどの民族舞踏曲が多数あり、ショパンの作品にもいくつか用いられている。その中から、親しみやすく愛らしい曲を選びメドレーに構成した。 ツィガンの馬車は行く ツィガンとは、定住地を持たない移動民族、いわゆるジプシーのことで、昔は馬または徒歩での移動が主であった。芸能の民でもあり、何にも束縛されない自由人の彼らの様を軽快なリズムで歌っている。 ウィーンわが夢の町 わが町ウィーンを慈しみ愛する人々の想いを歌った曲。ウィンナワルツのリズムにのせて流れる優美な心地よいメロディが印象的である。 花の街(1947) NHKラジオ番組「婦人の時間」が、戦後の荒廃した中で人々に夢を与える詩を委嘱したところ、江間は「いまだ見たことのない憧れの神戸は、さぞかしお花の咲き乱れている美しい街だろうと想像しましてね、早く日本のどこへ行ってもそうあってほしいという願望をこめて」書いたという。 夜明けの歌(1957) 若者の平和な社会を自分たちで築いていこうという願いが軽快なテンポとリズムで明るく楽天的に歌われる、うたごえ運動初期の傑作とも言える曲。 母なるヴォルガを下りて ロシアの農民運動ドンコサックの指導者ステパン・ラージンを主人公にした長編叙事詩の冒頭部分が壮大な旋律で民謡化されたもの。ロシア民謡に典型的なしりとりの形式になっている。 合唱組曲「おーい春」より おーい春(1984) 福祉、医療、教育が削られ、凍えるような厳しい風が吹きつける時代に、春を呼ぼうと合唱組曲「おーい春」が作られた。詩人の佐伯洋が保育園を訪問して歌詞を作り、この年大阪城ホールで開催された日本のうたごえ祭典の中で子どもと大人による大合唱が行われた。 生きる 谷川俊太郎の詩「生きる」には、三善晃・外山雄三・新実徳英・小室等などが作曲しているが、今回は武義和の作曲による混声合唱曲を女声合唱編曲したものである。武は自由の森学園の音楽教師だったころ、自分の教える生徒たちの夢や、生き方と重ね合わせ、この曲を作ったという。いのちの重みを感じる今、一番歌いたい歌である。 女声合唱とピアノのための組曲「千鳥ヶ淵で」より T.木の実(2010) レガーテ委嘱作品。昨年のレガーテコンサートで初演した作曲家・指揮者の外山雄三作曲による組曲の中から、茨木のり子の詩による『木の実』を歌う。詩の最後の「もし、それが私だったら…」絶句するその心を自分のものとして演奏したい。 素敵に人生を謳歌するWorld Popメドレーより Happy X’mas(1971) レガーテ編曲委嘱。世界中で愛され歌われ続けているJohn Lennonの「Happy X’mas」。人々に「あなたがもし望むなら戦争は終わる!」と呼びかけるこの曲に、金井信訳詩・編曲で新たな魅力が加えられた。 混声合唱とオーケストラのための交響曲「炎の歌」より T.鐘、V.石(1970) 大阪労音(現大阪新音)の委嘱により作られた組曲で、「安らかに」「T.鐘」「U.炎」「V.石」「W.花」より構成されている。作曲の外山雄三は「詩人土井大助さんと私の共通した願いは、ヒロシマとナガサキで行われた実に綿密で計画的な人間性破壊の暴力、私たちの常識や正確な感覚、知識をはるかに越えた無残な破壊を、決して再び繰り返させてはならぬ、ということです。」と曲に寄せて述べている。 JURI(2008) 安田珠莉に献呈されたピアノ曲。本邦初演曲。 REQUIEM“HIROSHIMA” 広島で生まれた被爆二世の作曲家である佐村河内守の唯一の合唱曲で、原爆で命を失った人々に捧げられた曲。震災で壊滅した町と失われた命への鎮魂と祈りを重ね合わせて歌いたい。本邦初演曲。 4人の作曲家による合唱組曲「絆」(2011) 近年、社会のかたちの変容が指摘されてきた。昨年は所在不明の高齢者が全国で見つかり、孤独死が増えている。大阪では2人の幼児が餓死する事件が起きた。また、非正規雇用の増大のもと、働くもののつながりが断ち切られてきた。この国は、急速に「無縁社会」ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっているのではないだろうか。しかし、今回の東日本大震災の中では人と人とのつながりによる支えあいの大切さが改めて実感された。 そこで、いま、親子や家族の絆、地域の絆、世代や国境を超えた絆…人と人との絆をもう一度見つめなおしたいとの思いで、うたごえ運動の中で活躍する、たかだりゅうじ、原田義雄、藤村記一郎、安広真理の4人の作曲家に、“絆”をテーマに1曲ずつ作曲を依頼し、一つの合唱組曲として構成したものである。 指先の宇宙 9歳で両眼の視力を、18歳で聴力を失った作詩者が、指点字(指先に点字タイプライターと同じように打つ)と指点字通訳者の存在により指先で会話できるようになった体験から人と人とのコミュニケーションは命であるという思いが歌われる。 ひいばァの汽車ぽっぽ 作詞者の母である91歳の“ひいばァ”と0歳のひ孫、取り囲む家族全員の楽しい思い出を歌にしたもので、車椅子は汽車のように人生の思いをのせて走る。 お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい 昭和50年(1975年)、生まれながらに重度の脳性マヒの山田康文君が15歳のときに作った詩。「ごめんなさいね、おかあさん」は「ありがとう、おかあさん」と背中合わせの言葉で母へのいたわりと思いやりにあふれている。親子や家族の限りない愛情に結ばれた絆の強さは、時代を越えて心に深く染み入るとともに、「ごめんなさい」と言わなくてもいい社会を作ろうと頑張ってきた障害者運動の歩みを改めてかみしめたい。 夢を語るとき 戦争中強制労働に連行された朝鮮の女性が補償を求めた訴訟の支援活動の中で韓国訪問などの交流を重ねてきた作詞者、作曲者が、愛知県の朝鮮学校合唱部の生徒との交流の中で、生徒が語りあう夢をもとに作った曲。 |
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